2000 Fiscal Year Annual Research Report
生活空間におけるコモン・プレースを生成する人間と環境の関係性の研究―私的・共用空間の境界のデザインの考察―
Project/Area Number |
12750543
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
森永 良丙 千葉大学, 工学部, 助手 (90312933)
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Keywords | 生活空間 / 領有空間 / 共用空間 / 私的空間 / 集合住宅 / 公団・公営住宅 / コ・ハウジング / 人間-環境系 |
Research Abstract |
1.公団住宅におけるコモン・プレースをもたらす計画の在り方に関する研究 昭和30年代建設の公団住宅・高根台団地(船橋市)について、住戸周辺から共用空間における小規模で個人的な植裁等の行為(領有行為)についてヒアリング・住み方採集等の継続的調査の成果として、住棟配置・住戸計画等の空間的構造と住み手の空間に対する働きかけとの関係が一定の要件を満たすときに、団地内のコミュニケーションを生成することを検討した。 2.公営住宅における選択的コミュニケーション促す計画の在り方に関する研究 実験的提案のみられるプロジェクトである公営住宅ハイタウン北方(岐阜市)において、私的空間と共用空間との関係を調査・考察した。私的空間と共用空間の境界のセッティングや、住戸内での家族成員間のコミュニケーションの選択の在り方が特徴的な計画に対する入居後評価を実施し、現在、家族形態と生活様式の多様化という課題に即して、居住者同士の相互補完関係を促す人的・物的環境の在り方を検討した。 3.コレクティプ住宅における立体路地性の研究 高齢者の自立的生活の支援を目指して計画された真野ふれあい住宅(神戸市)を対象にして、住戸近傍での直接的・間接的にコミュニケーションをもたらす立体路地の効果を考察した。立体路地とそれに対して開放性の高い住戸の関係が、独居老人を自然に見守る境界空間であることを検証した。 4.交流の場をもたらす小店舗と街路の境界空間に関する基礎的研究 私的空間と共用空間との関係を研究する上で、補足的な視点を導入するために、谷中(台東区)の小店舗と前面道路の境界にみられるコミュニケーションの在り様を考察した。公共性を保有する道路と、昔ながらの小店舗の道に対する開放性が、買い物をするのみならず一定の町の雰囲気と、売り手と買い手および買い手同士(住民同士)のコミュニケーションを促す境界空間であることを検討した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 森永良丙: "大きな団地の小さなコミュニケーション"『すまいろん』住宅総合研究財団. 2000年秋号. 38-41 (2000)
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[Publications] 澤村武志,延藤安弘,森永良丙,今田太一郎,森田忠晶: "公営住宅ハイタウン北方の外部空間における私的領域と共用空間の関係性―主体的住環境形成を促す集合住宅計画に関する研究(1)―"日本建築学会大会学術講演梗概集E-2. 107-108 (2000)
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[Publications] 森田忠晶,延藤安弘,森永良丙,今田太一郎,澤村武志: "公営住宅ハイタウン北方における住戸空間と人間交流との関係性―主体的住環境形成を促す集合住宅計画に関する研究(2)―"日本建築学会大会学術講演梗概集E-2. 109-110 (2000)
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[Publications] 今田太一郎,延藤安弘,森永良丙,森田忠晶,澤村武志: "使われ方から見た連続型及び独立型住戸計画の比較評価―主体的住環境形成を促す集合住宅計画に関する研究(3)―"日本建築学会大会学術講演梗概集E-2. 111-112 (2000)
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[Publications] 高宮大輔,延藤安弘,森永良丙: "コレクティブハウジングにおける立体路地性の研究―真野ふれあい住宅をケーススタディとして―"日本建築学会大会学術講演梗概集E-2. 119-120 (2000)
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[Publications] 中崎麗子, 延藤安弘, 森永良丙: "交流の場をもたらす小店舗に関する研究―谷中周辺の商店街に関する考察―"日本建築学会大会学術講演梗概集E-1. 507-508 (2000)