2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12750693
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
小谷野 圭子 工学院大学, 工学部, 助手 (90296781)
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Keywords | 脱硝反応 / マンガン酸化物 / メソポーラスモレキュラーシーブ / EDTA錯体 |
Research Abstract |
遷移金属活性点を持つ脱硝触媒の合成法を確立するために、三次元構造を持つメソポーラスモレキュラーシーブであるMCM-48に着目し、直接合成法、表面修飾法など種々の方法により細孔内への遷移金属の導入を試みた。この結果、TiのEDTA錯体を含浸することにより、高濃度、高分散に、細孔内のみにTiを導入することができた。MCM-48をはじめとするメソポーラスシリカは水に対する安定性が低いことが知られているが、この操作は非水溶液中で行うことができるため、構造の破壊は見られず、Tiの導入に伴う細孔容積、比表面積、細孔径の減少のみが観察された。直接合成法では、遷移金属導入量を増加することにより結晶性が著しく低下してしまったが、錯体含浸法により、結晶性、担持量、分散度の高い触媒の調製が可能となった。 NH_3を還元剤とした脱硝反応では一般にV_2O_5/TiO_2が高活性を示すことが知られているが、250〜400℃という比較的高温での使用となるため、反応温度の低下が求められている。そこで、上記の多孔体型遷移金属担持触媒に先立ち、Mn酸化物を触媒とした脱硝反応の低温化を試みたところ、反応温度120〜180℃という比較的低温において高活性を示すことが明らかとなった。また、活性と比表面積との間に相関関係が見られ、比表面積が大きいγ型のMnO_2を触媒とすることにより高活性、高耐久性が得られた。水蒸気共存下においては、反応温度が100℃以下では活性の著しい低下が見られたが、120℃以上とすることにより水蒸気の影響をほとんど受けないことがわかった。さらにSO_2を共存させると活性は低下するが、100℃から120℃に反応温度を上げることにより低下の程度が抑えられたことから、反応温度をもう少し上げることにより、活性低下が抑制できる可能性があると考え、さらに研究を進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)