2000 Fiscal Year Annual Research Report
N-結合型糖鎖生合成初期に必要なヒトマンノース転移酵素群の解析
Project/Area Number |
12760066
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
高橋 哲夫 東海大学, 工学部, 助教授 (10256167)
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Keywords | N-結合型糖鎖 / リピド中間体 / マンノース転移酵素 / cDNAクローニング / ゲノム解析 |
Research Abstract |
本研究は、N-結合型糖鎖生合成初期に必要な3種のマンノース転移酵素(MT-I、MT-III、MT-IV)のヒト遺伝子のクローニングを行い、その構造・機能を解析することを目的としている。本年度は、以下の1及び2を主として行った。 1.ヒトMT-III及びMT-IV遺伝子のコード領域の解明 ヒトMT-III遺伝子に関しては、5'-RACE PCRにより増幅されたcDNA断片をクローニングし、その塩基配列を解析した結果、全コード領域の構造が解明された。今後は、今回解明された遺伝子上流側のコード領域の塩基配列をもとに新たにPCRプライマーを設計し、ヒトMT-III遺伝子の完全長cDNAのクローニングを行う予定である。また、ヒトMT-II遺伝子との比較のために、マウスMT-III遺伝子の完全長cDNAのクローニングも同時に行い、その全コード領域の構造決定も完了している。 ヒトMT-IV遺伝子に関しては、当遺伝子を含むYACクローン923f5中の約1MbのヒトゲノムDNA断片を用いたコスミドウォーキングの起点となる複数のマーカーDNAをAlu PCRにより増幅した後、クローニングし、塩基配列解析を完了した。これらの結果に基づいて分類された、BACまたはコスミドクローンについてG258変異株の変異相補活性の検討を行う予定である。 2.ヒトMT遺伝子の転写調節領域の解明 コード領域が確定した、ヒトMT-I遺伝子及びMT-III遺伝子について、約6kbの上流ゲノムDNA領域をそれぞれLong PCRにより増幅後、クローニングした。これらを用いて、現在、MT-I遺伝子上流ゲノムDNA領域に関して、遺伝子上流0.5kb〜5.7kbを含む欠失サブクローンの作製を完了している。今後、各欠失サブクローンを用いてCATアッセイを行い、転写調節に働いている領域を限定する予定である。
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Research Products
(15 results)
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[Publications] 高橋哲夫: "リピド中間体生合成関連ヒト遺伝子Hmat-1のゲノム解析"日本農芸化学会誌. 74巻・臨時増刊号. 184 (2000)
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[Publications] 宮川亮: "糖タンパク糖鎖生合成中間体の合成研究"日本農芸化学会誌. 74巻・臨時増刊号. 380 (2000)
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[Publications] 守屋雅幸: "マウス・リピド中間体生合成変異株G258を形質転換するヒトメガYACクローン形質転換株の解析"日本農芸化学会誌. 74巻・臨時増刊号. 380 (2000)
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[Publications] 土田洋平: "マウス・リピド中間体生合成変異株G258の変異に相補的なヒトゲノム領域を含むコスミドのスクリーニング"日本農芸化学会誌. 74巻・臨時増刊号. 381 (2000)
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[Publications] 川口貴礼: "β-1,4マンノース転移酵素をコードするヒト遺伝子Hmat-1のアンチセンス発現によるリピド中間体生合成阻害の試み"日本農芸化学会誌. 74巻・臨時増刊号. 381 (2000)
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[Publications] 奥冨諭: "リピド中間体生合成関連ヒトマンノース転移酵素III遺伝子の5'末端領域を含むcDNAの単離"日本農芸化学会誌. 74巻・臨時増刊号. 381 (2000)
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[Publications] Tetsuo Takahashi: "Cloning and characterization of the human mannosyltransferase genes involved in the early assembly of lipid-linked oligosaccharide"Abstracts of the Second International Glycosyltransferase Symposium : Glycosyltransferase in the New Millenium. S8.3 (2000)
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[Publications] Kensuke Kataoka: "Characterization of human mega YAC clone-transformants of a mouse FM3A mutant G258 cell line that is defective in lipid-linked oligosaccharide synthesis"Abstracts of the Second International Glycosyltransferase Symposium : Glycosyltransferase in the New Millenium. S8.2 (2000)
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[Publications] 坂詰直子: "マウスG258変異株のリピド中間体生合成変異を相補するヒトmega YACクローン923-f-5に関するBACコンティグマップ作成に向けて"第10回ドリコールおよびイソプレノイド研究会講演要旨集. 17 (2000)
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[Publications] 高橋哲夫: "リピド中間体生合成初期に関連する2種のヒトマンノース転移酵素遺伝子の解析"第10回ドリコールおよびイソプレノイド研究会講演要旨集. 18 (2000)
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[Publications] 高橋哲夫: "アスパラギン結合型糖鎖の五糖コア構造形成に働く2種のマンノース転移酵素をコードするヒト遺伝子のゲノム解析"生化学. 72巻・8号. 857 (2000)
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[Publications] 坂詰直子: "マウス・リピド中間体生合成変異株G258の変異に相補的なヒトゲノム領域近傍を含むコスミドクローンおよびBACクローンのスクリーニング"生化学. 72巻・8号. 381 (2000)
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[Publications] 高橋哲夫: "リピド中間体生合成に働くマウス・マンノース転移酵素III遺伝子の解析"日本農芸化学会誌. 75巻・臨時増刊号(発表予定). (2001)
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[Publications] 奥冨諭: "リピド中間体生合成関連ヒトマンノース転移酵素III遺伝子の5'側領域の解析"日本農芸化学会誌. 75巻・臨時増刊号(発表予定). (2001)
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[Publications] 増田貴久: "マウスリピド中間体生合成変異株G258の変異に相補的なヒトゲノム領域の近傍を含むBACクローンのスクリーニング"日本農芸化学会誌. 75巻・臨時増刊号(発表予定). (2001)