2000 Fiscal Year Annual Research Report
鶏脂肪細胞分化シグナル制御因子の同定とその発現制御
Project/Area Number |
12760184
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 幹 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (20250730)
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Keywords | 脂肪蓄積 / 低脂肪食肉 / 脂肪細胞 / シグナル伝達 / Ca / サブトラクション / 鶏 |
Research Abstract |
脂肪過剰蓄積の実用的簡易制御法の確立を目標として、前駆脂肪細胞から脂肪細胞への分化機構とその制御因子を同定することにより、脂肪細胞数の調節・制御を試みることを目的とした。本年度は、鶏脂肪細胞の分化期におけるCa^<2+>結合性タンパク質の分離と分化期に特徴的な遺伝子をスクリーニングするためのサブトラクションLibraryを作成した。 (1)鶏脂肪細胞の分化期におけるCa^<2+>結合性タンパク質の分離 10日齢鶏の脂肪組織から酵素法により前駆脂肪細胞を分離した。次に、調製した前駆脂肪細胞を5,000cells/cm^2の濃度で60もしくは90mmシャーレに播種し、10%FBSを含むM199培地でサブコンフルエントになるまで(4〜5日)培養した。脂肪細胞への分化は、10%FBS,10mM Glucose,20μg/ml Insulin,250nM Dexamethason,33μM biotin,17μM pantothenae,250μM oleic acidを含んだM199を用いて行なった。分化誘導後6および72時間後に細胞を回収し、回収した細胞を界面活性剤(SDSもしくはTriton X-100)で可溶化し、SDS-PAGEに供試したところ、分化期に特徴的な150,70,40,38,30kDaのバンドの増加が確認された。さらに、細胞溶解画分をCalmodulineカラムに供試したところ、分化期に特徴的な80および42kDaのバンドが検出され、低分子画分にバンドは確認されなかった。しかし現在の所、タンパク量が少ないためN末端アミノ酸解析には至っていない。 (2)鶏脂肪細胞の分化期に特徴的な遺伝子をスクリーニングするためのサブトラクションLibraryの作成 鶏脂肪分化期の細胞(分化開始48時間後)よりmRNAを調製し、2本鎖cDNAを調製した。cDNAの両端にEcoRI/NotIアダプターをLigationした後、同様に調製した鶏脂肪前駆細胞mRNAの1本鎖cDNAをsolution hybridizationした後、pBluescript SK+にLigationして約5,000のサブトラクションLibraryを作成した。現在、コロニーを採取し、シーケンスを進めている。
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