2000 Fiscal Year Annual Research Report
電位依存性カリウムMチャンネルの受容体による制御機構の解明
Project/Area Number |
12770017
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
星 直人 金沢大学, 医学部, 助手 (90229170)
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Keywords | 電位依存性カリウムチャンネル / チャンネル制御分子 / シグナル伝達 / リン酸化 |
Research Abstract |
KCNQ2,3チャンネルとGタンパク(Gq)にカップルするブラジキニンB2、ムスカリンm1受容体を共発現させ、受容体とMチャンネルをアフリカツメガエル卵母細胞、CHO細胞に再構成した。そのうえで、受容体刺激によるチャンネル抑制に関与する部位を知るためにチャンネルタンパクに順次変異を導入した。この実験から、KCNQチャンネルのC末端領域に存在する、IQ相同部位の変異体は受容体刺激によるチャンネル抑制が小さいことが明らかになった。また、two-hybrid解析から、チャンネルのカルモジュリン結合領域を同定した。また蛍光測定からは、野生型チャンネルはカルモジュリンがCa非依存的に結合し、IQ変異体にはまだCa依存的結合が残存することがわかった。 一方プロテインキナーゼC(PKC)によるリン酸化については、チャンネルサブユニット結合に重要と考えられていたAdomainと呼ばれるC末端細胞内部位において、リン酸化を受けると考えられるアミノ酸残基を負に荷電したアミノ酸で置換するとチャンネル活性の低下が見られ、またPKCによるリン酸化を受けないチロシンに置換すると、受容体刺激による抑制が起こらないことが明らかになった。このことから、この部位のアミノ酸のリン酸が、受容体によるチャンネル修飾に関与していることが示唆された。 また、これらの系にA-キナーゼ係留タンパク(AKAP150)やその変異体を共発現させるとチャンネル抑制の速度、抑制の程度が促進または、阻害された。AKAP150は、カルモジュリン、PKC、PKAと結合し細胞膜に分布することが知られており、この分子がこれらの修飾過程を制御する重要な要素であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)