2000 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜癌、頚癌及び卵巣癌におけるCD44遺伝子発現異常に関与する転写因子の解明
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12770096
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
三枝 信 北里大学, 医学部, 講師 (00265711)
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Keywords | Endometrial carcinoma / ovarian carcinoma / Uterine cervical carcinoma / beta-catenin / CD44 |
Research Abstract |
CD44遺伝子発現とβ-カテニン遺伝子の関連性の検討を行うために、平成12年度は、β-カテニン遺伝子発現異常の検索を、1)そのmRNAの発現量、2)exon3のdeletion及び点突然変異の有無、3)Western blot法と免疫組織化学法による蛋白発現を解析、を中心に上記3つの婦人科悪性腫瘍の外科切除材料を用いて行った。 子宮内膜においては、正常及び増殖症に比べて内膜癌では、β-カテニン蛋白の膜発現減少と核への異常集積を認めたが、そのmRNA発現レベルの相違は認めなかった。β-カテニン遺伝子のexon3点突然変異は、12.5%の異型増殖症及び22.9%の内膜癌に認められ、癌においては、その蛋白の低膜発現・高核集積、組織学的高分化度、リンパ節転移陰性と密接な関係を示していた(Saegusa et al.,Br J Cancer,in press)。 卵巣癌では、β-カテニン遺伝子異常及びその蛋白の核への異常集積は、主にendometrioidtypeに限定されており、さらに腫瘍内扁平上皮化生の存在と密接な関係を示し、これは、子宮内膜癌でも確認できた(Saegusa et al.,J Pathol,in press)。 以上より、β-カテニン遺伝子異常は、主に類内膜癌型の子宮内膜癌及び卵巣癌の発生・進展過程において、転写非依存性の細胞内蛋白局在変化を生じ、その結果、様々な生物学的特性に関与する可能性が示唆された。現在、子宮頚癌のβ-カテニン遺伝子異常を検索中で、その後、β-カテニン及びCD44遺伝子異常の相互関係の解析する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Saegusa M, et al.: "Frequent nuclear beta-catenin accumuation and associated mutations in endometrioid-Type……."J Pathol. (in press).
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[Publications] Saegusa M et al.: "beta-catenin mutations and aberrant nuclear expression during endometrial tumorigenesis,"Br J Cancer. (in press).