2000 Fiscal Year Annual Research Report
頸動脈超音波検査による動脈硬化所見及び血小板凝集能の脳卒中発症への関与の検討
Project/Area Number |
12770197
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
岡田 克俊 愛媛大学, 医学部, 助手 (10314949)
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Keywords | 頸動脈超音波検査 / 脳血管疾患 / 循環器疾患 / case-control study / 相対危険度 |
Research Abstract |
本研究計画に基づき、平成12年4月〜平成13年3月の間、ベースラインデータの収集を行い、一般住民例134名に対して頸動脈超音波検査、循環器検診、生活習慣問診(QOL尺度を含む)を施行した。また、脳血管疾患発症後、市中病院脳神経外科に入院した連続症例208名に対して頚動脈超音波検査を施行した。さらに本研究のベースとなる循環器疾患コホート研究の追跡データとして、脳血管疾患及び虚血性心疾患に関する発症調査を行い91例の脳血管疾患発症、43例の虚血性心疾患発症の登録を完了した。 本年度の解析計画に基づき、脳血管疾患患者のうち脳梗塞例をcaseに、一般住民例をcontrolに用い、頚動脈超音波検査所見の断面解析を行った。その結果、パーセンタイルによる検討では、平均IMT、THICKNESSのいずれも厚くなるに伴いcaseの者の割合が増加を示し、また狭窄病変の出現頻度も、脳梗塞例では強い狭窄を呈する割合が高いことが明かとなった。さらに、脳梗塞有病に対する相対危険度は、いずれの指標においても値が高くなるに従い相対危険度が上昇し、特に平均IMTが0.95mm以上、THICKNESSが1.27mm以上、狭窄率が55%以上では明らかな有意差を認めた。これまでの知見によると、同一術者内における頸動脈超音波診断のvalidityは高いことが明かとなっており、本解析結果は、同一術者が同一の頚動脈超音波検査プロトコールを用いてcase及びcontrolともに計測した結果である点が新しい知見であり、また同時に、欧米と同様に日本人においても頚動脈超音波所見によるIMT及びTHICKNESSの肥厚、狭窄病変(狭窄率)は脳梗塞有病のrisk factorであることが明かとなった。 次年度は、追加データの収集を行い、循環器疾患特に脳血管疾患の病型別並びに血液学的マーカー、生活習慣を合わせた解析を行う予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 加藤匡宏,岡田克俊,藤本弘一郎,山本久夫,小西正光: "夜間休日急患センターを受診した小児救急患者の疾病構造の現状と問題点"愛媛医学. 19・4. 54-63 (2000)
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[Publications] 岡田克俊,加藤匡宏,藤本弘一郎,寳貴旺,浅井芳恵,小西正光: "頸動脈病変と局所機能因子としてのズリ応力比との関連について"中国四国脳卒中研究会. 2. 12-12 (2000)
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[Publications] 藤本弘一郎,近藤弘一,岡田克俊,寳貴旺,浅井英典,小西正光 ら: "地域高齢者における転倒調査の方法論的検討"日本公衆衛生雑誌. 47・5. 430-439 (2000)
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[Publications] 藤本弘一郎,近藤弘一,岡田克俊,寳貴旺,小西正光 ら: "地域在住高齢者の医療費及び関連する保健行動"厚生の指標. 47・5. 26-32 (2000)
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[Publications] 岡田克俊,加藤匡宏,藤本弘一郎,寳貴旺,浅井芳恵,小西正光: "頸動脈超音波検査の脳卒中に対するリスクの検討(症例-対照研究)"日本公衆衛生雑誌. 47・11. 474-474 (2000)
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[Publications] 岡田克俊,加藤匡宏,藤本弘一郎,寳貴旺,浅井芳恵,小西正光 ら: "循環器疾患スクリーニング検査としての頚動脈超音波検査の検討"四国の農村医学. 25. 85-88 (2000)