2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト心刺激伝導系の加齢、各種病態におけるアポトーシスを介した変性機構の検討
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12770219
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西田 尚樹 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (10315088)
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Keywords | 心刺激伝導系 / アポトーシス / 不整脈 |
Research Abstract |
本研究の遂行のため、平成12年度から剖検例において、高度腐乱死体、白骨死体を除き、連続的に心刺激伝導系の標本を作製し、現在100例を越えている。各事例の背景等も考慮に入れ、不整脈が死亡原因に関与した可能性が考えられる事例につき、心臓の詳細な検索を行い、特に不整脈が死因、ないし外因死の発生に関与したことが強く疑われるmild Epstein's anomaly、Anomalous origin of coronary artery、hypertrophic cardiomyopathy等の稀少例における心刺激伝導系ないし周囲作業心筋の変化について症例報告を作成、または投稿中である。 従来突然死への関与が指摘されている右脚走行異常を伴うHis束の左室心内膜下側への変位例をまとめ、これらの破格は伝導系標本を連続的に作成すると比較的よく認められるものであり、左心系の高度の圧負荷等の異常環境がない場合には直接的に不整脈の原因になるとは考えにくいことが見出されたため現在論文作成中である。 覚醒剤使用事例、僧房弁逸脱症例について症例を蓄積し、刺激伝導系を含む上部心室中隔標本を用いて、アポトーシス検出、免疫染色、画像解析を遂行中であり、現在、これらの症例の一部において、上部心室中隔の作業心筋に高度の病的変化が見出されている。 有意狭窄を伴う冠状動脈硬化症等の心臓疾患を有さず、外因死であることが明白な事例につき、前期病的変化群の対象コントロールとして、または加齢による刺激伝導系ないし周囲作業心筋のアポトーシス出現状況を明らかにする目的で検索中である。
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