2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト臍帯血造血前駆細胞の遺伝子操作マウスへの移入によるヒト型クリプトパッチの追求
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12770272
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高木 英恵 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90296567)
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Keywords | クリプトパッチ / 臍帯血 / 腸管免疫 / IL-7 |
Research Abstract |
倫理委員会の承認を得て供与された出産時の臍帯血50mlからリンパ球分離液を用いてリンパ球を分離し、さらにMACS用CD34陽性細胞分離キットを用いてCD34陽性造血前駆細胞を分離した。臍帯血リンパ球のうち、CD34陽性細胞は約1%であったが、MACSキットによりCD34陽性細胞の割合が90%に上昇した。CD34陽性細胞のうち70%がCD127(IL-7receptor)陽性であり、臍帯血リンパ球や成人末梢血リンパ球に比べCD127の割合が高かった。一方我々の共同研究者・石川らは、マウスの腸管粘膜固有層に集族するc-kit陽性の未分化リンパ球の集団がCD127も陽性であることを以前から報告し、このリンパ球の集族にcryptopatchと名付けていたが、このcryptopatchの存在しないnu/nuCRγ^<-/Y>マウスにwild-typeマウスの骨髄を移入することにより、レシピエントマウスにドナーマウス由来のcryptopatchが形成され、さらに経時的にドナーマウス由来の上皮間リンパ球(IEL)が形成されることを見出した(Suzuki K et al.Immunity13,691-702,2000)。このことから、cryptopatchのないnu/nuCRγ^<-/Y>マウスに、未熟なヒトリンパ球の分画である臍帯血中のCD34陽性細胞を移入し、マウスの腸管粘膜にヒトリンパ球由来のcryptopatchが形成されうるか検討を行っている。現在のところ、移植後1週目まではヒト由来のリンパ球がマウス腸管に存在することが免疫染色で確認されたが、以後は認められていない。このため、マウスにヒト由来のIL-7やSCFといったサイトカインを投与することでヒト由来リンパ球のマウス腸管内への生着が延長するのではないかと考え、実験を重ねている。
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Research Products
(1 results)