2000 Fiscal Year Annual Research Report
心筋細胞における低分子量G蛋白質RhoAの活性化機構
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12770350
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
大谷 賢一 自治医科大学, 医学部, 助手 (20316516)
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Keywords | Rho / Tec / Src / Vav |
Research Abstract |
我々は以下のような方法で細胞内のRhoA活性を簡便に測定する方法を確立した。RhoAは細胞骨格を調節するだけでなく、serum response factor(SRF)を活性化することで遺伝子発現をコントロールすることが知られる。我々はコロンビア大学Wu博士との共同研究でSRFの結合配列であるserum response element(SRE)を3ヶタンデムに結合したDNAフラグメントの下流にルシフェラーゼcDNAを挿入したレポータープラスミド(pSRE-luc)を作製した。新生仔ラットより調整した培養心筋細胞にpSRE-lucをリポフェクション法にて導入し、endothelin-1(ET)刺激を行うと、ルシフェラーゼ活性が上昇した。またリポフェクションの際、RhoA阻害剤であるC3の発現プラスミドを同時に導入するとETによるルシフェラーゼ活性の上昇はキャンセルされたことより、ETによるSREの活性化はRhoAを介してるといえる。上記の方法でルシフェラーゼ活性を測定することによりRhoAの活性を検討することができる。pSRE-lucを心筋へ導入する際に、心筋に発現が豊富な各種非受容体型チロシンキナーゼ(c-Src,Jak1,Pyk2,Tec)のdominant negative変異体発現プラスミドを共導入し、どのチロシンキナーゼシグナルをブロックした際にETによるRhoAの活性化が阻害されるかを調べた。その結果Tecおよびc-Srcのドミナントネガティブ体を発現させた際にRhoA活性が抑制された。従ってET受容体からRhoAへと至るシグナルはc-SrcとTecの両キナーゼが必要であると考えられた。またこれらキナーゼの下流に働きRhoAを直接活性化する分子としてVav2が同定された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ohya,K. et al.: "Angiotensin-converting enzyme gene"Nippon Rinsho. 58. 511-3 (2000)
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[Publications] Yoshida,K. et al.: "Mediation by the protein-tyrosine kinase Tec of signaling between the B cell antigen receptor and Dok-1"J.Biol.Chem.. 275. 24945-52 (2000)
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[Publications] Shimpo,M. et al.: "Effects of aspirin-like drugs on nitric oxide synthesis in rat vascular smooth muscle cells"Hypertension. 35. 1085-91 (2000)