2000 Fiscal Year Annual Research Report
RDA法とマイクロアレイを用いたEWS-WT1キメラcDNAの標的遺伝子の単離
Project/Area Number |
12770379
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井田 孔明 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60313128)
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Keywords | EWS遺伝子 / WT1遺伝子 / RDA法 / 小児腫瘍 / p300遺伝子 / desmoplastic small round cell sarcoma / ユーイング肉腫 / ウィルムス腫瘍 |
Research Abstract |
Desmoplastic small round cell sarcoma(DSRCS)の患者の2検体よりtotal RNAを抽出し、reverse transcriptase(RT)-PCR法でEWS/WT1遺伝子の切断点を含むcDNAの小断片を得、これを用いてcDNAライブラリーより全領域を含んだEWS-WT1cDNAをスクリーニングして合成した。このcDNAを発現ベクターに挿入して、EWS/WT1発現ブラスミドを作成した。このEWS/WT1発現プラスミドをいれたベクターと発現ベクターのみをそれぞれNIH3T3細胞株にtransfectionして、安定した細胞のコロニーを選択した。ベクターのみをtransfectionさせたNIH3T3細胞株およびEWS/WT1をtransfectionさせたMIH3T3細胞株からtotal RNAを抽出し、これらのcDNAを合成し、representational difference analysis(RDA)法を行った。two cells hybridization法でハイブリダンジエイションをくり返し、異なったバンドを切り出し、得られた遺伝子の塩基配列を決定し、Genebankにて検索した。5個のcDNA断片がとれ、これらは既知のp300遺伝子と未知の4つのESTであることが判明した。p300は転写コアクチベーターで基本転写因子結合しアセチル化に関連することがわかっている。このp300の発現プラスミドを作成し、これらと作成したEWS/WT1発現プラスミドとをNIH3T3細胞株にco-transfectionして、転写活性assayを用いて、EWS/WT1遺伝子の転写活性を調べている。種々の小児固形腫瘍の細胞株と、正常末梢血よりDNAを抽出し、両者のゲノムの増幅や欠失をRDA法を用いて検索したが、増幅や欠失はみられなかった。
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