2000 Fiscal Year Annual Research Report
樹状表皮T細胞による、マウス皮膚GVHD病変の発症抑制作用およびその機序の解明
Project/Area Number |
12770430
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
富山 勝博 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (60303153)
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Keywords | 樹枝状表皮T細胞 / 皮膚GVHD |
Research Abstract |
今年度に行った研究は主に以下の2つである。 実験1 胸腺摘除マウスを用いたGVHDの誘導とその皮膚病変の有無の確認 実験2 DETC欠損皮膚を移植したマウスを用いたGVHDの誘導と移植片の皮膚GVHD病変の有無の確認 これらの実験から以下の結果を得た。 実験1 DETC以外の末梢T細胞を欠損したマウスを得るために,C57BL/6(B6)マウスに胸腺摘除術を行い,ついで抗Thy-1抗体を投与した。この操作を行ったマウス(ATX-B6)を宿主として、C-H-2^<bml 2>マウス(bml2)のT細胞を移入して全身性GVHDを誘導したところ,脾臓,肝臓などではGVHD病変を認めるものの皮膚にはGVHD病変は認められなかった。宿主をB6ヌードマウス(B6 nu)とした場合には皮膚GVHDが惹起されることを考慮すると,皮膚GVHDの有無はDETCの有無に関係することが示唆された。 実験2 DETCを有する皮膚(B6から得たもの)や,DETCを欠如した皮膚(B6 nuあるいはB6 scidから得たもの)を,B6×bml2の第一世代マウスに移植し,生着を確認後,bml2のT細胞を移入して全身性GVHDを誘導した。その結果,B6からの移植皮膚片には皮膚GVHDは認められない一方で,B6 nuあるいはB6 scidからの移植皮膚片には病変を認めた。このことから実験1での推察,すなわち皮膚GVHDの有無はDETCの有無に依存することが確かめられた。 以上の結果をもとに,現在は,DETCが具体的にどのように皮膚GVHDの発症に関係するかを解析中である。
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