2000 Fiscal Year Annual Research Report
アンチセンスを利用したホウ素中性子捕捉療法(BNCT)における新規薬剤の開発
Project/Area Number |
12770474
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
船木 善仁 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 助手 (50261491)
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Keywords | BNCT / アンチセンス / 含ホウ素核酸 / ^<18>F |
Research Abstract |
1.酵素反応を用いた含ホウ素アンチセンスの合成 含ホウ素アンチセンスのアナログとしてホウ素含有核酸である5'-P-borane-substituted thymidine triphosphateの合成を行った。出発原料をチミジンとし、5'位を保護した後3'位をアセチル化し、3'-アセチルチミジンを得た。この3'-アセチルチミジンの5'位にフォスフォアミダイドによってリン酸を導入した後、イソプロピルエチルアミン・ボラン複合体を用いて、リンにBH_3を導入した。アンモニアによる脱アセチルの後、ブチルアンモニウムピロホスフェートを用いてさらにリン酸化し、目的物である5'-P-borane-substituted thymidine triphosphateを得た。 得られた化合物を用い、アンチセンス型として14mer(配列:AACGTTGAGGGGCA)の遺伝配列をPrimer、センス型の15mer配列(TTGCAACTCCCCGTA)をTemplateとし、酵素(DNA Polymerase)を用い37℃で1時間反応させ、アンチセンスの3'末端へ導入した。 今後、このアンチセンスを^<32>Pを使って標識し、目的としたものが得られているかどうか確認する。また、ヌクレアーゼを用いてこの含ホウ素アンチセンスのヌクレアーゼに対する耐性も検討する予定である。 2.^<18>F標識2'-O-(O-carboran-1-ylmethyl) uridineの合成 標識前駆体として2'-O-(O-carboran-1-ylmethyl) uridineを途中まで合成した。出発原料をウリジンとし、(BU_2SnO)nと反応させた後、Propagyl Bromideと反応させ、2'-or 3'-O-(3-prop-1-ynyl)uridineを得た。その後、これを無水酢酸で水酸基を保護した。この後デカボランと反応させる予定であったが国内の在庫がなく、輸入も無理ということで一時期中断したが、2001年2月からデカボランが国内で供給可能となったので、今後引きつづき合成を行い、標識前駆体を合成した後、^<18>Fと反応させ、体内動態を検討する予定である。
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