2000 Fiscal Year Annual Research Report
新しい遺伝子解析技術を用いた非ホジキンリンパ腫の予後因子の解析
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12770495
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 和正 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (20284507)
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Keywords | 非ホジキンリンパ腫 / 放射線治療 |
Research Abstract |
1.非ホジキンリンパ腫再燃例に対する放射線治療の有用性について検討した。中等度および高度悪性群非ホジキンリンパ腫再燃例79例のうち、限局性に再燃した13例に対して放射線治療単独またはCHOP3クールを中心とした化学療法および放射線治療を施行したが、その5年全生存率は80.2%ときわめて良好であった。この13例はLDH高値やbulky diseaseなどの年齢以外の危険因子はほとんど有していなかった。low riskの限局性再燃例では、短期化学療法と放射線治療の併用もその治療の選択肢のひとつと成り得ることが示唆された。 2.完全寛解の得られた非ホジキンリンパ腫について、当科での外来経過観察は治療後1年は最低1ヶ月ごと、2年目は2ヶ月ごと、3-4年目は3-6ヶ月ごと、以後は1年ごとと、外国での経過観察よりきびしいものとなっている。このような間隔の短い経過観察での再燃形式について検討した。完全寛解となったI、II期、頭頸部原発非ホジキンリンパ腫121例のうち、39例が平均無病生存期間22.2ヶ月の後に再燃したが、自覚症状が先行したものが22例(56.4%)であった。自覚症状のみられなかった再燃例17例のうち、診察所見が再燃発見の契機となったものは10例、経過観察のために撮影されたCTが契機となったもの3例、ガリウムシンチが契機となったもの2例、LDHの上昇が契機となったもの2例であった。再燃時の病変の広がりは自覚症状のみられた再燃はIII、IV期のものが72.7%であったのに比べ、自覚症状発現以前に定期的経過観察で再燃を発見したものでは70.6%がI、II期のものであった。来院間隔の短い経過観察により、自覚症状発現以前に、比較的早期の状態で再燃を検出できることが示唆された。 3.現在、上記のような予後解析をすすめており、各群より癌抑制遺伝子発現を含めた遺伝学的検索をおこなっている。
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Research Products
(1 results)