2000 Fiscal Year Annual Research Report
遠隔放射線診療を用いた病院間の統合的医療情報管理とその医療経済効果に関する研究
Project/Area Number |
12770499
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
高田 明浩 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60305597)
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Keywords | 遠隔放射線診療 / 医療経済効果 / セキュリティ / 医療情報 |
Research Abstract |
本研究では遠隔放射線診療における医療情報の統合的運用により、病院間で情報の共有化を行いそれにより得られる医療経済効果を明らかにする。現在のネットワークの技術を駆使すれば、それらの患者情報は各施設に存在しながら、遠隔地からの要求により即座に検索し情報を入手することが可能となる。各病院の患者情報を共有することにより、患者が異なる病院を受診した場合においても、前医での患者カルテ、検査結果、画像診断結果、を共有することが可能となり、いわばネットワークを通じて一つの病院となるバーチャル・ホスピタルが構築されることとなる。本研究では、遠隔放射線診療を通じ統合的に医療情報を管理する技術を開発を目指した。病院間のネットワークを構築するにあたり、患者情報の流出を防止することに留意する必要があり、そのセキュリティーには統合型セキュリティー通信規格(ISCL:Integrated secured communication layer)を用いた。ISCLはなりすまし防止のためには相互認証機能を、盗聴防止のためには暗号化機能を、改ざん防止のためにはメッセージ認証機能により安全性を確保している。ネットワーク上の各医療施設ではスマートICカードを用いることにより相互認証を行い、なりすましを防止する。ISCLはMEDIS-DCによる標準規格であるために、相互互換性を有し、医療施設の差異による医療情報の交換に支障を及ぼすことがなかった。患者情報をセキュリティーの確保されたネットワークで共有することが可能となり、病院間の統合的医療情報管理を行うための環境を整備した。次年度では、整備された環境での運用を行い、その医療経済効果に関して検討を行う。
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