2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト臍帯血由来造血幹細胞への遺伝子導入と血球分化に与える影響
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12770612
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
川野 勧 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00317950)
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Keywords | 造血幹細胞 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
1.ヒト臍帯血からの造血幹細胞単離と培養 付属病院における正常出産児よりヒト臍帯血を採取し,赤血球を除去した上でCD34 PE,CD38 FITCにて染色し,フローサイトメトリーにより造血幹細胞の分画としてCD34++CD38-細胞を得た。無血清培地を使用し,SCF,MGDF,GM-CSF,EPOを併用し培養を行った。 2.in vitro培養による分析 SCF,MGDF,GM一CSFのうち2つのサイトカインを組み合わせて初期培養を行った後,増殖展開培養を11日行い,フローサイトメトリーにより,phenotype analysisとしてCD34(造血幹細胞),GPA(赤血球),CD45(顆粒球),CD41(巨核球),CD15(B細胞),CD56(NK細胞)の発現を各モノクローナル抗体により染色し,各表面抗原の発現率を分析した。CD15,CD56については十分な発現が得られていないため,条件をさらに検討中である。 3.造血幹細胞へのレトロウィルスによる遺伝子導入 nerve growth factor receptor(NGFR)でマークしたMFG vectorを購入し,遺伝子導入を行った。A群:単離直後に硫酸プロタミン存在下に遺伝子を導入,B群:SCF十GM一CSF3日間前刺激後に硫酸プロタミン存在下に遺伝子を導入,C群:単離直後にフィブロネクチン存在下に遺伝子を導入,D群:SCF+GM-CSF3日間前刺激後フィブロネクチン存在下に遺伝子を導入。 本年度は十分な導入が得られなかったが,High titerな上清の確保ができなかったことも一因であると思われる。展開培養後には導入効率が低くなることから導入翌日の値を指標に検討していく予定である。
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