2000 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌肝転移に対するサイトカイン遺伝子発現型ウイルスベクターによる免疫遺伝子療法
Project/Area Number |
12770697
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山本 健太郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40306733)
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Keywords | 免疫遺伝子療法 / G207 / 大腸癌肝転移モデル / CT26 / IL-12 / IL-18 |
Research Abstract |
大腸癌患者の予後を左右する肝転移に対する治療として,サイトカイン遺伝子を大腸癌原発巣に直接的に導入することで抗腫瘍免疫を誘導し,肝転移巣,特に微小肝転移の抑制効果を目指した新しい免疫遺伝子療法の開発を検討した。免疫遺伝子療法には,in vivoにおける遺伝子導入効率の優れたベクターを必要とするが,非分裂細胞ではなく,分裂細胞の中でのみ選択的に複製され、さらに安全性の面からも改良され臨床応用へ向けて作製された複数変異型単純ヘルペスウイルス:G207(DNA複製に関与するICP6遺伝子,および神経毒性に関与するγ34.5遺伝子の変異)をベクターとして用いた。そしてこのG207をヘルパーウイルスとして使い,サイトカイン遺伝子をアンプリコン型べクターに組み込んだ,全く新しい複製型アンプリコンベクターシステムの開発を試みた。 (平成12年度 研究概要) (1)サイトカイン遺伝子発現型へルペスウイルスベクターの作製 マウスIL-12、IL-18遺伝子をCMVプロモーター下に組み込んだアンプリコンプラスミドベクターの構築を試みた。現在,Lipofection法により遺伝子導入を行い,培養細胞上清中のIL-12およびIL-18をELISA法にて測定を行い、その発現を確認している。 (2)BALB/cマウス大腸癌肝転移モデルの作製 BALB/cマウス由来大腸癌株CT26(高肝転移株)5x10^5個を脾臓被膜下に注入し、脾静脈を介した肝転移モデル(血行性転移を模倣した肝転移モデル)を作製した。腫瘍注入後7日目に肝臓を摘出し,肝転移の形成を顕微鏡下で確認した。
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