2000 Fiscal Year Annual Research Report
上行弓部大動脈瘤の低侵襲治療を目的とした血管内挿型人工血管システムの研究開発
Project/Area Number |
12770727
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
横井 良彦 東京医科大学, 医学部, 助手 (60266533)
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Keywords | helical CT / 3D再構築 / 追従性と安定性 / 大動脈弓部 / ステント / ステントグラフト / 胸部大動脈瘤 / 大動脈解離 |
Research Abstract |
教室で経験した胸部大動脈瘤症例50例についてthin-slice helical CTの画像情報を基に3D再構築を行い、大動脈弓部の3次元的屈曲を解析した。その解析結果を基に、胸部大動脈弓部の屈曲に対して良好に追従する金属骨格の基本となる数種類の長さ(25mm、20mm、15mm、10mm)のジグザグステントを最大拡張径50mm、40mm、30mm、20mmとなるように設計し、線材経0.35mm,0.40mm,0.45mmステンレススチール316L(耐久性および耐腐食性)を用いてハンドメイドにより試作した。試作した骨格について、その拡張力、復元力を測定し、至適と考えられる線材径0.45mmで最大拡張経50mm、セグメントの長さ25mm、20mm、のジグザグステントをフォーミングマシンを使用して工作精度を高めて製作し、再度その拡張力、復元力を測定した。完成したステントセグメントを用い、血管に対する追従性と動脈瘤内での安定性、動脈瘤長軸方向に対する保持力を維持しながら、できる限り小口径のデリバリーシースに格納できるような構造を検討し試作を行った。結果として、各セグメント間を2本の同じ長さを持つ線材経0.35mmのステンレススチールストラットにより接合し、各ストラットとステントの接合部ごとに必要な角度をつけることにより、金属骨格全体として大動脈弓部の屈曲に適合しデリバリーシース内は軽度の彎曲のみで格納可能な金属骨格を作製した。この金属骨格に対し超薄型平織りポリエステル人工血管を用いて、中枢側および末梢側のみ強固に固定し、中間のセグメントは人工血管との位置関係を保持する最低限の固定とすることで、血圧の存在可においては金属骨格が事前に設計した角度に復元可能なステント付き人工血管いわゆるステントグラフトを完成させた。平成12年度終了時点で本研究は以上の過程まで進行している。
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