2000 Fiscal Year Annual Research Report
ラットにおける脳分離体外循環による脳低温法の確立および脳虚血への保護効果の検討
Project/Area Number |
12770766
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
真柳 圭太 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30286504)
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Keywords | 脳分離体外循環 / 脳低温 / 虚血 / 脳保護 / rat |
Research Abstract |
『ラットを用いた脳分離体外循環による脳低温法の確立』 【方法】雄性Wister rat(300g)をハロセン麻酔下に非動化、大腿動脈より脱血した動脈血をheat exchangerにて冷却し右内頸動脈に送血した。 返血温は18〜20℃、送血速度は3ml/kg/minから開始し5ml/kg/minまで増加させた。 【結果】(1)脳温は平均5.7分で34℃台、12.5分で32℃台、30分で30.3℃まで低下した。(2)対側の脳温は0.7℃前後の差でほぼ並行して低下した。(3)体血圧は分離循環開始前116±8mmHg、60ml/kgで106±7mmHg、90ml/kgで104±5mmHgで分離循環の脱血速度、脳温の低下に関わらず変化しなかった。(4)CBFはraser dopplerを使用したため分離循環を開始する前を100%とし、3ml/kg/min、脳温34℃台で106%、5ml/kg/min、脳温30℃台で109%であった。(5)分離循環終了後72時間後に屠殺し、脳を摘出、Cresyl-Violet染色を行い、海馬CA1における生存細胞を計数した。対象群に正常ratを使用したが、両群で生存細胞数に有意差を認めなかった。以上より本法によって、体温を維持したまま、安全に脳温のみ選択的に低下させるこが可能であることが示された。今後MCAOを用いた虚血再潅流モデルを用い、虚血モデルに対する本法の有効性を検討する予定である。
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