2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12770897
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊藤 桂 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (60302551)
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Keywords | TGF-beta1 / PCR / ovarian reserve |
Research Abstract |
TGFbeta1はIGF-1と協調して顆粒膜細胞の増殖と機能分化を促進させる方向に働くという説、あるいは全く反対にそれらを抑制するという説とがあり、その機能は顆粒膜細胞増殖能の修飾という曖昧な表現でまとめられていることが多い。IVF-ET時に採取した顆粒膜細胞におけるTGFbeta1 mRNA発現を定量的に解析し、ovarian reserveと関係の深い患者年齢、total採卵数,hMG総投与量について解析を行った。 IVF-ET時にインフォームドコンセントの後、顆粒膜細胞を実験に供した(n=17)。TGFbeta1 mRNAはreal time PCRを用いて定量した。total RNAをDnase処理した後、random primerを用いてcDNA合成。real time PCRはABI PRISM 7700 DNA Sequencerにより95℃/30sec,60℃/30sec,72℃/30secの条件下でABI PRISM softwareを用いて行った。hMG総投与量とTGFbeta1 mRNAとは明らかな関連は認められなかった。患者年齢別では、35歳未満の群で、logTGFbeta1=7.990±0.790/ug total RNA(mean±SD,n=9),35歳以上の群でlogTGFbeta1=7.390±0.468(n=8)と後者が低かったが、有意差は認めない。total採卵数はmedianが10.5であったので、total採卵数10個以下をA群(logTGF beta1=7.220±0.790,n=11)、11個以上をB群(logTGF beta1=8.510±0.443,n=6)としたとき、TGFbeta1 mRNA相対発現量を両群間で分散分析を行うと、B群のほうが有意にlogTGFbeta1の値が高かった。(p<0.05)今回の検討によれば顆粒膜細胞局所でのTGFbeta1 mRNAが高ければtotal採卵数も多い傾向にある、といえる。その点ではTGFbeta1は顆粒膜細胞の増殖と機能分化を促進させている可能性がある。
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