2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12770981
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
新谷 朋子 札幌医科大学, 医学部, 助手 (10244352)
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Keywords | 人工内耳 / SPECT / SPM / 聴覚高次機能 |
Research Abstract |
人工内耳症例の語音刺激時に聴覚野に相当する部位に賦活が見られることをSPM(Statistical parametric mapping)を用いたSPECTの解析で確認して,術後聴取能や失聴期間と脳の賦活部位との関連について検討した. 方法は成人言語習得期後失聴で人工内耳(コクレアインプラントミニシステム22,コクレア社)を装用している13例に対し,平易な文章を20分間連続して聴取させ無音状態と語音刺激時の脳血流画像をSPECTにて作成した.核種は_<123>I-IMPを用い,3検出型ガンマカメラにて撮影した.画像解析はSPMソフトウエアおよびSPM Header Toolを用いた.術後語音聴取能の評価は子音聴取能検査を用い,その正答率にて評価した. 結果は全例で無音時と音刺激下での脳血流量を比較すると右脳の聴覚連合野のみに賦活がみられたが,子音聴取良好群のみでは左右の聴覚連合野の賦活がみられた. 左右の聴覚連合野の賦活の有無により検討すると,両側ともに賦活が見られない群では平均失聴期間が長く,平均聴取能が低くかった.反対に左脳の聴覚連合野にも賦活が見られた群では平均失聴期間が短く,平均母音・子音の聴取能が良好という傾向があった.以上より,人工内耳術後の語音聴取能を規定する因子として失聴期間が関与しており,術後聴取能と聴覚野の賦活が強く関連していることがわかった.人工内耳を介した語音刺激は非生理的で言語の情報量が少ないにも関わらず,聴覚野の良好な賦活を引き起こす症例があることがSPECTを用いた画像で確認された.
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Research Products
(1 results)