2000 Fiscal Year Annual Research Report
金属アレルギー患者に対応した矯正歯科材料の開発に関する研究
Project/Area Number |
12771311
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
宮崎 顕道 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (10209885)
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Keywords | 矯正歯科 / 矯正材料 / ポリウレタンゴム / チタンブラケット |
Research Abstract |
金属アレルギーに対応した矯正用材料として、松本歯科大学歯科矯正学講座と同歯科医学研究所生体材料部門が試作した純チタン製ブラケットおよびポリウレタンゴムコーティングワイヤーを用い、フリクション試験を行った。 フリクション試験は.017×0.23インチのポリウレタンゴムコーティングワイヤー(以下、Urワイヤー)に純チタン製ブラケット(以下、Tiブラケット)を装着し、このブラケットがワイヤーとの摩擦抵抗を越えて滑りだす荷重を測定した。比較対照に.017×.022インチの矯正用ステンレススチールワイヤー(以下、SSワイヤー)とメタルブラケット(以下、Meブラケット)および非金属であるプラスチックブラケット(以下、Plブラケット)を用いた。 その結果、UrワイヤーとTiブラケットのフリクションは、Plブラケットより大きく、Meブラケットよりは小さかったが、有意差はなかった。一方、SSワイヤーとTiブラケットのフリクションは、PlブラケットおよびMeブラケットにより大きかった。 ワイヤーとブラケットのフリクションは、SSワイヤーとTiブラケットの組合わせが最も大きく、ステンレススチールワイヤーとチタン間の摩擦抵抗は高いと思われた。一方、UrワイヤーとTiブラケットの組合せは他2種のブラケットとほぼ同程度のフリクションを示したことから、従来の材料と同様に歯の移動に使用できると思われた。 以上より、金属アレルギー患者に対応した矯正用材料として、純チタン製ブラケットとポリウレタンゴムコーティングワイヤーの有用性が示唆された。
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