2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12771328
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
淺原 洋士 徳島大学, 歯学部, 助手 (30294713)
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Keywords | 歯根膜線維芽細胞 / 走化活性 / 増殖因子 |
Research Abstract |
本年度の研究計画 1.継代数による歯根膜線維芽細胞の走化能の検討 患者の同意が得られた健常歯周組織を有するヒトの抜去歯より,歯根膜細胞を分離・調整し,以下の実験に供した。 (1)走化能の測定:走化能の測定は48wellマイクロケモタキシスチャンバーを用いて,これまでに調べられている増殖因子(PDGF, bFGF, EGF)について行った。測定は細胞の継代を行うごとに実施し,継代数にともなう走化能の変化を調べた。 (2)テロメア長の測定:各継代数の細胞を固定してDNAを抽出し,サザンハイブリダイゼーションにてテロメア長を測定し,走化能との相関関係を比較検討した。 2.細胞周期制御遺伝子の発現と走化能の関係 (1)cDNAライブラリーの構築:継代数の異なる細胞および遊走した細胞と遊走しない細胞のmRNAを,oligo(dT)-magnetic beadsに吸着させ微量高速冷却遠心機にて回収する。これらmRNAから逆転写酵素を用いて(-)鎖cDNAライブラリーを構築する。 (2)細胞周期制御遺伝子の検索:細胞の孝化に伴いその発現の上昇が知られているp16,p21およびサイクリンD1,さらにc-fosについて,各継代数の遊走した細胞と遊走しない細胞でのmRNAの発現をPCR法を用いて調べる。 結果 (1)培養歯根膜細胞の走化能は,調べた5被験者のうち3被験者についてはいずれの増殖因子においても9継代から著明に低下した。残りの2被験者については12継代まで著明な変化はなかった。 (2)テロメア長については,継代数を経る毎に長さは短くなっていったが,走化能との相関関係は認められなかった。 (3)c-DNAライブラリーを構築し保存した。遺伝子の検索については現在進行中である。
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