2000 Fiscal Year Annual Research Report
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12771373
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Research Institution | Kitasato Institute |
Principal Investigator |
宇井 英明 (社団法人)北里研究所, 生物機能研究所, 研究員 (90290957)
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Keywords | 抗寄生虫薬 / 蠕虫 / エネルギー代謝 / 電子伝達系 / complex I / NADH-fumarate reductase / 酵素阻害剤 / nafuredin |
Research Abstract |
本研究では抗寄生虫薬の開発を目指し、ある種の寄生虫が特徴的に持つ嫌気的エネルギー代謝の阻害物質を探索した。申請した研究計画に従い得た結果を以下にまとめた。 1.嫌気的エネルギー代謝関連酵素の検定系の構築及びその阻害物質の探索 嫌気的電子伝達系や嫌気的糖代謝関連酵素のホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ及びリンゴ酸デヒドロゲナーゼの検定系によりその阻害物質を探索し、嫌気的電子伝達系の阻害活性を有する微生物培養液を見いだし、含まれる阻害物質を単離した。 2.単離物質の活性検討 単離した物質の生物活性を調査し、その中で新規物質nafuredinに関して得た知見をまとめて論文投稿した^*。 (1)嫌気的電子伝達系の阻害物質として、新規物質nafuredinを単離したこと。 (2)Nafuredinの作用点が複合体Iであり、ロドキノンに拮抗すること。 (3)その阻害効果は哺乳類と比較して寄生性線虫由来酵素に対して選択的であったこと。 (4)Nafuredinがヒツジに対する捻転胃虫の感染治療実験でも著効を示したこと。 *Omura,S.,Miyadera,H.,Ui,H.,Shiomi,K.,Yamaguchi,Y.,Masuma,R.,Nagamitsu,T.,Takano,D.,Sunazuka,T.,Harder,A.,Kolbl,H.,Namikoshi,M.,Miyoshi,H.,Sakamoto,K.,& Kita,K.Proc.Natl.Acad.Sci.USA98,60-62(2001)
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Satoshi Omura, et al.: "An anthelmintic compound, nafuredin, shows selective inhibition of complex I in helminth mitochondria"Proceedings of the National Academy of Sciences, USA. 98(1). 60-62 (2001)