2000 Fiscal Year Annual Research Report
陸上短距離・長距離選手における高強度運動時酸素摂取動態とその成因に関する研究
Project/Area Number |
12780029
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
高橋 裕美 岩手県立大学, 看護学部, 助教授 (60206844)
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Keywords | 酸素摂取量緩成分 / 筋線維組成 / 等速性筋力 / スプリンター / 高強度運動 |
Research Abstract |
高強度運動時に発現する酸素摂取量の緩やかな増加成分(緩成分)の大きさと運動中に動員される運動単位のタイプとの関連性を検討することを目的とし、大腿筋の筋線維組成がタイプII優先であることが予測される、男子大学生陸上短距離選手(S群)6人と対照学生(C群)4人に対し、等速性収縮時の最大筋力を測定し、緩成分の大きさとの関係を検討した。被験者は、自転車エルゴメータ上で4分間のウォーミングアップを行った後、高強度運動をステップに負荷され、同一強度の運動を8分間継続して行った。高強度運動は、事前のランプ負荷による最大運動テストにおいて算出された、個人の最大酸素摂取量と乳酸性閾値の差の50%の強度とした。運動開始3分めと8分めの酸素摂取量の差異を酸素摂取量緩成分として評価した。膝関節の伸展および屈曲の等速性筋力は、バイオデックス社製ダイナモメータを用いて、90deg/sec,150deg/sec,210deg/sec,270deg/sec,and330deg/secの5つの速度で測定した。S群の緩成分は319.2±63.2ml/minであり、C群の181.3±52.3ml/minに比し、高い値であった(P<0.05)。緩成分と筋力の関係については、330deg/secの速度でのみ相関関係がみられた(P<0.05)。また、筋力の測定速度が高いほど、相関係数は高い結果を示した(r=0.45at90deg/sec,r=0.52at150deg/sec,r=0.59at210deg/sec,r=0.61at270deg/sec)。先行研究において、タイプII線維占有率と高速での等速性筋力との間に相関関係が認められていることから、本研究の結果は、高強度運動時の緩成分の大きさは、Fastタイプ運動単位の動員率と関係のあることを示すものと推察された。次年度は、筋力を絶対筋力として評価するために、CT画像より筋横断面積を算出する計画である。今年度は、実施のためのプレテストを行なった。
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Research Products
(1 results)