グラフのst-numberingの一般化とその応用に関する研究

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12780186
• Research Institution: Gunma University
• Principal Investigator: 中野 眞一 群馬大学, 工学部, 助教授 (30227855)
• Keywords: グラフ / アルゴリズム / 平面グラフ / 列挙 / 三角形分割 / 数え上げ / メッシュ

Research Abstract

平面グラフのst-numberingを拡張したcanonical orderingが知られている。
我々はこのcanonical orderingから新たに平面グラフのremoving sequenceやcontracting sequenceというcanonicalなラベル付けを定義した。これらに基づきさまざまな平面構造を重複なく、かつ、抜けもなくすべて列挙する方法を開発した。一般にそのような構造は点の数の指数個存在するので、既知の方法では、効率良く列挙することはおろか、必要な記憶領域が莫大になり、列挙は不可能であった。我々は、メモリはわずかに点の個数の線形個だけですむ新しいアルゴリズムを開発した。さらに、列挙の計算時間もこれまでの手法より、格段に改善することができた。例えば、球面の三角形分割を効率良く列挙する方法はこれまで知られていなかったが我々は1つあたりO(n^3)時間で、すべてのそのような三角形分割を重複なく、抜けもなく生成するアルゴリズムを開発した。外周上にr点を持ち点数がn点の三角形分割は、既知の方法では1つあたりO(n^2)時間の計算が必要であったのに対し、今回新しく設計したアルゴリズムではわずかにO(1)時間しかかからない。
これらの研究の詳細を3月の電子情報通信学会コンピュテーション研究会で発表した。さらに、2つの国際会議に論文を投稿中である。これらのアルゴリズムをソフトウェアとしてすることが今後の課題である。

Research Products

• [Publications] Shin-ichi NAKANO: "Planar Drawings of Plane Graphs"IEICE TRANS.INF.& SYST.. VolE83-D. 384-391 (2000)
• [Publications] Sayaka Nagai and Shin-ichi Nakano: "A Linear-Time Algorithm to Find Independent Spanning Trees in Maximal Planar Graphs"電子情報通信学会英文論文誌 A,離散数学とその応用小特集号(2001年5月)採録. (印刷中).
• [Publications] K.Miura,S.Nakano,T.Nishizeki: "Convex Grid Drawings of Four-Connected Plane Graphs"Proc.of eleventh Annual International Symposium on Algorithms and Computation, ISAAC 2000,. LNCS,1969. 254-265 (2000)
• [Publications] Md.Saidur Rahman,Shin-ichi Nakano and Takao Nishizeki: "A Linear Algorithm for Bend-Optimal Orthogonal Drawings of Triconnected Cubic Plane Graphs"Journal of Graph Algorithms and Applications. Vol.3. 31-62 (2000)
• [Publications] Md.Saidur Rahman,Shin-ichi Nakano and Takao Nishizeki: "Box-rectangular Drawings of Plane Graphs"Journal of Algorithms. Vol.37. 363-398 (2000)
• [Publications] K.Miura,S.Nakano,T.Nishizeki: "Grid Drawings of Four-connected Plane Graphs"Discrete & Computational Geometry 採録. (印刷中).
• [Publications] 中野 他5名: "離散構造とアルゴリズム,7"近代科学社. 37 (2000)