2001 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトウェア開発におけるリスク管理のためのインタラクティブシミュレータの開発
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12780223
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水野 修 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科(情報数理系専攻), 助手 (60314407)
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Keywords | ソフトウェア開発 / シミュレーション / ソフトウェアリスク要因 / プロジェクト管理 |
Research Abstract |
本研究では,ソフトウェア開発プロジェクトでのリスク回避を目指して,ソフトウェア開発プロジェクトのインタラクティブなシミュレーションを行う環境の開発を行ってきた.本シミュレータでは従来のものに対して拡張を行うことで,より正確なプロジェクトの再現を目指している.本年度の主な成果は次の通りである. まず,リスク要因を考慮したソフトウェアプロジェクトシミュレータの拡張とそのユーザインターフェイスの実装を行った.具体的には,ソフトウェア開発プロジェクトで発生しうるリスク要因を調査するアンケート部と,その結果を用いてプロジェクトシミュレーションを実施する操作部の実装を行った.アンケート部の作成に当たっては,共同研究を行っているある企業の開発現場において発生するかもしれないリスク要因を列挙し,その中から具体的な要因を絞り込み,開発の間を通じてリスクを管理するシステムを開発した.プロジェクトシミュレーション部においては,アンケート部で収集されたリスク要因に基づいて,プロジェクトのシミュレーションを行い,その結果を表示することができる.得られた最大の成果は,リスク要因の収集からその振る舞いまでを一括して管理することのできるシステムを構築したことにある. 実際に作成したシステムを用いて,リスク要因がプロジェクトのシミュレーションに及ぼす影響を調べる実験を行った.その結果,プロジェクトごとに与えられたリスク要因に応じてシミュレーション結果が妥当な値を示すことを確認した.また,現実のプロジェクトから得られたデータを用いた実験でもコスト,品質,開発期間に対するシミュレーションの精度が高いことを確認した.この成果は電子情報通信学会英文論文誌に掲載された.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Kusumoto, O.Mizuno, T.Kikuno, Y.Hirayama, Y.Takagi, K.Sakamoto: "Software project simulator for effective process improvement"Trans. of Information Processing Society of Japan. Vol.42, no.3. 396-408 (2001)
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[Publications] O.Mizuno, D.Shimoda, T.Kikuno, Y.Takagi, S.Sakamoto: "Enhancing software project simulator toward risk prediction with cost estimation capability"IEICE Trans. on Fundamentals of Electronics, Communications, and Computer Science. Vol.E84-A, no.11. 2812-2821 (2001)
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[Publications] 足立 卓也, 水野 修, 菊野 亨, 高木 徳生: "リスク調査に基づくコストと期間の誤差予測とその統計的分析"ソフトウェアシンポジウム2001論文集. 109-115 (2001)
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[Publications] O.Mizuno, T.Adachi, T.Kikuno, Y.Takagi: "On Prediction of Cost and Duration for Risky Software Projects based on Risk Questionnaire"Proc. of 2nd Asia-Pacific Conference on Quality Software. 120-128 (2001)
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[Publications] O.Mizuno, T.Kikuno, Y.Takagi, K.Sakamoto: "Characterizing Risky Project Based on Project Managers' Evaluation"Proceedings of the 22nd International Conference on Software Engineering (ICSE2000). 387-395 (2000)