2000 Fiscal Year Annual Research Report
RecA非依存性新規組み換え系に関与する高度保存蛋白質Srpの機能解析
Project/Area Number |
12780516
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Research Institution | Hokkaido Tokai University |
Principal Investigator |
海藤 晃弘 北海道東海大学, 工学部, 講師 (60251659)
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Keywords | 遺伝的組み換え / RecA非依存性 / 大腸菌 / 高度保存蛋白質 |
Research Abstract |
srp遺伝子群はRecA非依存性組み換え機構の必須遺伝子と考えられた。データベース検索等によりSrp15K蛋白質のホモローグがH.influenzaeからB.subtilisまで細菌界で広く高度に保存されて存在し細菌界にもう一つの組み換え系が存在する事が考えられた。そこで以下ついて検討する事とした。 1)部分欠失遺伝子を作成 部分欠失遺伝子構築に伴い、各srp遺伝子による組み換え能の再評価、および相同組み換え能を詳細に分析した。その結果、2)において構築したいずれの発現プラスミドによっても、recA欠損株において同程度の組み換え能の回復が認められた。また相同組み換え能についてはsrp15K遺伝子によって70%程の相応組み換え能にとどまるものの、他のsrp遺伝子によっては90%以上の高効率で相同的組み換え体が得られる事が分った。この知見をもとに、部分欠失変異の影響を今後評価する。 2)生体内でのSrp依存性組み換え反応の計時的測定 計時的なSrp経路による組み換え能を測定するため、培養時期によらずsrp遺伝子が発現している必要がある。そこでlacプロモーターの支配下におかれたSrp発現プラスミドを構築した。本プラスミドは培養条件によらずSrp経路を活性化できる、一方でlacIq遺伝子の導入により組み換え能を1/3程度に減少させる事ができた。 3)一本鎖DNA同士の対合反応を促進するアニレース活性の検討 His-Srp15K蛋白質単独ではアニレース活比は認められなかった。Srp経路による高効率の組み換えには3つのsrp遺伝子のいずれもが必要であるため、3種のSrp蛋白質の混合実験を行う。現在、Srp15K蛋白質とSrp27K蛋白質間で物理的相互作用がある事がアフィニティーカラムによる共精製実験で示唆された。現在、抗His-tag抗体を用いたゲルシフト実験により再評価を行っている。混合実験時にこの知見をもとに条件の検討を行う。
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