2000 Fiscal Year Annual Research Report
オーファン受容体Nurr1によるカテコールアミン生合成酵素発現調節機構の解明
Project/Area Number |
12780591
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
鈴木 崇弘 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助手 (70298545)
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Keywords | Nurr1 / Tyrosine Hydroxylase / GTP cyclohydrolase I / Catecholamine / V-1 |
Research Abstract |
本研究の目的は、Nurr1ファミリー(Nurr1、NGFI-B、NOR-1)によるカテコールアミン(CA)生合成酵素群(チロシン水酸化酵素:TH、芳香族アミノ酸脱炭酸酵素:AADC、ドーパミンβ水酸化酵素:DBH、GTPシクロヒドロラーゼI:GCH)の発現調節機構を解明することであり、本年度の研究実績は以下の通りである。 1)テトラサイクリンでNurr1の野生型及びドミナントネガティブ体を発現誘導できるPC12細胞株を作製した。野生型Nurr1に関しては、テトラサイクリンの除去によりNurr1応答配列(NBRE)をタンデムにつないだレポーター遺伝子に対する転写活性を数倍から数百倍に増大する数クローンを得た。また、ドミナントネガティブ体に関しては、real-time PCR法によってmRNA量を測定した結果、数倍から数十倍の誘導が行える数クローンを得た。現在これらの細胞を用いて、CA生合成酵素群の発現量の変化を検討中である。 2)PC12D細胞にV-1を過剰発現させた細胞株では、親株や対照株に対して、TH、AADC、DBHに加えてGCHの発現量の増大を見いだした。また、PC12D/V-1細胞ではTHプロモーター活性が増大しており、少なくとも部分的にはcyclic AMP応答配列(CRE)に対する転写活性の増大に起因していることが明らかとなった。今後、PC12D/V-1細胞におけるTH転写活性増大の分子機構について、Nurr1ファミリーの関与の有無を含めて解析していく。 3)PC12細胞において、フォルスコリン刺激やProtein kinase A(PKA)の強制発現ベクターの一過性導入は、NBRE転写活性とTH、AADC、GCHプロモーター活性を顕著に増大させた。現在、PKAを介したCA生合成酵素群の発現調節におけるNurr1ファミリーの関与について検討中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Shen,Y. et al.: "Triple transduction with adeno-associated virus vectors expressing tyrosine hydroxylase, aromatic-L-amino-acid decarboxylase, and GTP cyclohydrolase I for gene therapy of Parkinson's disease"Hum Gene Ther. 11. 1509-1519 (2000)
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[Publications] Ichinose,H. et al.: "Molecular mechanisms of hereditary progressive dystonia with marked diurnal fluctuation, Segawa's disease"Brain Dev. 22. S107-S110 (2000)
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[Publications] Ichinose,H. et al.: "Dopa-responsive dystonia"Adv Neurol. 86. 173-176 (2000)
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[Publications] 鈴木崇弘 等: "パーキンソン病に対する新しい治療用遺伝子の開発"神経研究の進歩. 45(1). 75-81 (2001)