2000 Fiscal Year Annual Research Report
物理的および化学的方法による血液中のウイルスの除去・不活性化
Project/Area Number |
12794016
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加茂 直樹 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (10001976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池淵 研二 北海道赤十字血液センター, 研究部長
池田 久實 北海道赤十字血液センター, 所長
宮内 正二 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (30202352)
平山 順一 北海道赤十字血液センター, 研究部部員
阿部 英樹 北海道赤十字血液センター, 研究部係長
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Keywords | メチレンブルー / 活性酸素 / 一重項酸素 / パルボウイルス / B19 / 血液凝固第8因子 / UVC |
Research Abstract |
1)光増刊剤を用いるウイルス不活化.従来メチレンブルー(MB)が赤血球製剤のウイルス不活化に用いられてきた.MBはDNAに結合し,光照射によって一重項酸素を発生し,DNAを切断することにより,ウイルスの不活化が起こる.最近,MBの誘導体である1,9-dimethylmethylene blue(DMMB)のほうが,MBよりも赤血球の膜に対する光障害が小さいという報告があり,DMMBを使用した種々のウイルスの不活化の測定を行った.膜障害が小さいだけでなく,ウイルスの不活化の活性も強いことが明らかになった. 2)パルボウイルスB19の紫外線照射による不活化と血液凝固因子第8因子の光障害からの保護.B19は重大な疾病を引き起こすウイルスではないが,妊娠婦人が感染すると危険といわれている.このウイルスは,理由は述べないが,現在のウイルスの不活化法を適用出来ない.短波長紫外線(UVC)では不活化できるが,同時に血清中のタンパクに障害を与える.我々は,B19の感染能の測定法を開発し,UVCによる不活化法の開発を行った.我々の方法では,血液凝固因子第8因子の光障害は起こらない. 3)UVCのウイルス不活化の機序.UVC照射によって,DNAが切断し,ウイルスが不活化すると考えれている.UVCによってDNAが損傷を受けるのは事実であるが,ウイルス不活化を定量的に説明できることを示した.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] J.Hirayma,S.J.Wagner,S.Gomez,D.MacDonald,H.Abe,K.Ikebuchi: "Virus photoinactivation in SFH with MB and DMMB"Photochem.Photobiol.. 71. 90-93 (2000)
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[Publications] H.Abe,J.Hirayama,A.Okada,H.Ikeda: "Elimination of both cell-free and cell associated HIV infectivity in plasma by filtration/MB photoinactivation system"Transfusion. 40. 1081-1087 (2000)
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[Publications] M.Owada,A.Yamada, H.Abe,J.Hirayam,H.Ikeda,S.Sekiguchi,K.Ikebuchi: "Elucidation of the HIV-I virucidal mechanism of MB photosensitization and the effect of primary isolates"J.Med.Virol.. 62. 421-425 (2000)
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[Publications] K.Shimono,M.Iwamoto,M.Sumi,N.Kamo: "Effects of three characteristic amino acid residues of pharaonis phoborhodopsin on the absorption maximum."Photochem.Photobiol.. 72. 141-145 (2000)
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[Publications] A.Sugawara,R.Motokawa,H.Abe,N.Kamo: "Inactivation of parvovirous B19 in coagulation factor VIII concentrates by UBC irradiation"Transfusion. (in press). (2001)