2001 Fiscal Year Annual Research Report
実験的脊髄損傷モデルにおける脊髄および交感神経活動電位の電気生理学的研究
Project/Area Number |
12832042
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
荒巻 駿三 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (10151169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 卓 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (20254336)
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Keywords | 微小神経電図法 / 交感神経活動 / 筋交感神経活動 / RVLM / 逆行性軸索内輸送標識法 / Horseradish peroxidase / Topographic mapping / ペースメーカー |
Research Abstract |
自律神経節後線維は、局所性自動調節機構とホルモン循環とともに、心臓収縮率および収縮力と血管径を調節して循環系機能に直接的な影響を与えるものであり、延髄、胸髄、腰髄の特定の神経核から起始する節前ニユーロンに制御されている。近年、飛躍的に交感神経節前ニューロンの研究が進み、橋、延髄、視床下部の特定の神経核は交感神経節前ニューロンへ直接投射している事が、胸髄・腰髄のIML cell columnへのトレーサー注入による逆行性標識法により証明されていが未だに未知の領域が多い。 われわれは、延髄部に存在すると考えられている交感神経節後線維のプレモーター神経核を明らかにする事を目的に、Horseradish peroxidaseを用いた逆行性軸索内輸送標識法により、橋・延髄部の細胞を標識する組織学的研究や、タングステン微小電極を用いたMicroneurogramおよび橋・延髄部のマクロな活動電位をマッピングする電気生理学的研究を進めている。組織学的研究において、光顕像で赤褐色に発色した標識された神経細胞を、橋・延髄腹外側野領域rostral ventrolateral medulla(RVLM)に認めた。電気生理学的研究においては、橋・延髄腹外側野領域(RVLM)に明瞭な規則的自発活動電位を認めた。また、RVLMに認めた自発活動電位は、末梢の筋交感神経活動に同期性を示した。この様な様相を示す電気生理学的特質から交感神経血管運動ニューロンは、ペースメーカー系ニューロンに起始するものと考えられ、RVLM内の部位が末梢交感神経血管運動節前ニューロンの安静時活動を生み出す主な発生源であると考える。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kira Y, Ogura T, Aramaki S, Kubo T, Hayasida T, Hirasawa Y.: "Sympathetic skin response evoked by respiratory stimulation as a measure of sympathetic function"Clinical Neurophysiology. 112. 861-865 (2001)
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[Publications] Aramaki, S., Kira, Y., Nakanishi, F., Kubo, T, Hirasawa, Y.: "The experimental study of the autonomic assessment on the spinal cord injury model by microneurogram"The 1st World Congress of the Int.Soc.Of Physical and Rehabilitation Medicine. 1. 479-587 (2001)
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[Publications] 吉良 保彦, 中西 文彦, 荒巻 駿三, 李 国浩, 小倉 卓, 久保 俊一, 平澤 泰介: "脊髄損傷モデルにおける末梢交感神経活動電位に関する実験的研究"脊髄電気診断学. 23(1). 23-31 (2001)
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[Publications] 中西 文彦, 吉良 保彦, 荒巻 駿三, 李 国浩, 小倉 卓, 久保 俊一, 平澤 泰介: "治療的電気刺激を用いた下肢末梢交感神経活動に関する実験的研究"脊髄電気診断学. 23(1). 37-42 (2001)
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[Publications] 李 国浩, 小倉 卓, 平澤 泰介, 吉良 保彦, 荒巻 俊三: "脊髄損傷モデルにおける下肢末梢交感神経活動電位に関する実験的研究"中部日本整形外科災害外科学会雑誌. 44(2). 309-310 (2001)
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[Publications] 李 国浩, 小倉 卓, 平澤 泰介, 古良 保彦, 荒巻 俊三: "脊髄損傷モデルにおける下肢末梢交感神経活動電位に関する実験的研究"中部日本整形外科災害外科学会雑誌. 44(5). 1111-1112 (2001)