2000 Fiscal Year Annual Research Report
気泡界面のマランゴニ効果を利用したマイクロアクチュエーター
Project/Area Number |
12875017
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
波多野 祥子 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (70260718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 厚史 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (10243924)
永山 邦仁 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20040446)
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Keywords | マランゴニ効果 / マイクロ気泡 / マイクロヒーター / 浮力 / マイクロモーター |
Research Abstract |
マイクロマシン技術を応用した新しい熱流体型アクチュエーターとして気泡モーターを提案し試作した。厚さ150ミクロンのガラス基板上に、クロムを薄く蒸着して、その上にニッケルを厚さ50ナノメートル程度蒸着する。それをパターニングして局所的に50ミクロンと細くなった部分が直径2ミリの円状に配置されるような配線を描く。それぞれの配線が個別にコンピューター制御されるリレースイッチに繋がっており、オン・オフが自在に時間制御できるシステムを構築した。配線の細い部分がジュール熱が卓越してヒーターとして働くが、それらの上には保護用の酸化シリコン膜を400ナノメートル程度スパッタリングによって堆積してある。 これを用いて、電気絶縁性に優れたフロリナート中で、まず直径100ミクロンから400ミクロンの蒸気気泡を発生させ、その下のヒーターをオフにすると同時に横のヒーターをオンにすることで気泡のマランゴニ効果による移動を検証しようとしたところ、100ミクロン以上の気泡では依然として浮力の効果が大きく、ヒーターの切り替え時に離脱してしまうことが明らかになった。そこで、上の二個のヒーターが同時にオンの時間Tを設けることで離脱を防止することに成功し、その時間Tの気泡径依存性を調べた。すると、気泡が大きいほどTは少なくて済むことがわかった。この理由は隣のヒーターからその気泡の界面までの距離が短くなることで、熱の伝導時間が少なくて済むからであると推測できる。気泡の最高回転数は40rpmを記録したが、それを左右しているのは主に時間Tであることもわかった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Takahashi,K.Yoshino,S.Hatano,K Nagayama and T.Asano: "Novel Applications of Thermally Controlled Microbubble Driving System"Technical Digest of IEEE 14th Int.Conf.Micro Electro Machanical Systems. 286-289 (2001)