2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12875148
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水野 哲孝 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50181904)
|
Keywords | 鉄 / 二置換シリコタングステート / 分子状酸素 / アルケン / エポキシ化 |
Research Abstract |
1.分子状酸素によるシクロオクテンのエポキシ化反応 分子状酸素を酸化剤としてメタンモノオキシゲナーゼの活性点に類似した構造を有するKeggin型鉄二置換ポリオキソタングステート(γ-SiW_<10>{Fe^<3+>(OH_2)}_2O_<38>^<6->)を触媒としてシクロオクテンのエポキシ化反応をシクロオクテン18.5mmol、1,2-ジクロロエタン1.5mL/アセトニトリル0.1mL、触媒(テトラブチルアンモニウム塩)1.5μmol、反応温度356K、反応時間96h、分子状酸素1atmの条件で行った。その結果、シクロオクテンオキシドが選択的に生成した。2-シクロオクテン-1-オールと2-シクロオクテン-1-オンは少量生成した。385h後には、転化率が約80%、シクロオクテンオキシドへの選択率が98%に達した。また、ターンオーバー数は10000に達し、この値は1atmの分子状酸素のみを用いたシクロオクテンのエポキシ化反応のこれまでに報告されている値よりも100倍以上大きな値を示した。この反応は、323Kでも触媒的に進行した。 2.触媒の安定性 シクロオクテンのエポキシ化反応前後の触媒のUV-visスペクトルは、いずれも275nm(ε22600M^<-1>cm^<-1>)と334nm(ε10000M^<-1>cm^<-1>)にγ-Keggin型構造に特有のバンドを示していた。したがって、反応後も触媒は□-Keggin型構造を保持していることが示唆された。また、反応前後の触媒のIRスペクトルもほとんど変化しなかった。以上より鉄二置換ポリオキソタングステートは本反応条件下で安定であると考えられる。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] T.Hayashi et al.: "High Turnover Number of γ-SiW_<10>{Mn^<3+>(OH_2)}_2O_<38>^<6-> for Oxygenation of Cyclohexane with 1 atm Molecular Oxygen"Chem.Commun.. 2000. 381-382 (2000)
-
[Publications] A.Kishida et al.: "Remarkable Effect of Manganese Center on Catalytic Activity for Decomposition of Hydrogen Peroxide"Chem.Lett.. 2000. 1374-1375 (2000)
-
[Publications] H.Hatayama et al.: "Synthesis of Cubic Mesostructured Vanadium-Phosphorus Oxide"Chem.Lett.. 2000. 884-885 (2000)