2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12876055
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
橋本 博文 筑波大学, 機能工学系, 講師 (50272175)
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Keywords | 植物生長促進 / 根部過給 / IAA |
Research Abstract |
植物の根部だけを局所的に加圧して栽培することにより、養水分が植物に過給され植物の生長が促進されると考えられる。申請者らは、この効果を実際に確かめるため、過去2年間にわたり試験植物としてコマツナを用いて栽培実験を行ってきた。その結果、少なくとも生長初期(7〜10日間)において生長促進効果がみられるが、生長が進むにしたがい、その効果が弱くなるということが観察された。 しかし、今回の実験では栽培法を改良し、下向き栽培から上向き栽培へと変えたところ、生長促進効果が生長初期のみならず、その以後も持続するという今までとは異なる結果が得られた。従来の下向き栽培法はシールを行うための技術的な簡便さから採用されてきたが、植物は常に重力に逆らって生長しなければならないので、その生長に対して何らかの悪影響を及ぼしていたことが考えられる。この原因の解明については追実験を重ねる必要がある。 さらに、この生長促進効果のメカニズムを解明するために、生長促進に関与すると考えられる植物ホルモンに着目し、特に内生オーキシン(IAA)の変化を測定した。過給植物とコントロールを各々10本づつ用いて抽出・精製を行い、HPLCにより分種後、GC-MSによりIAAの定量分析を行った。厳密な定量を行うために内部標準として^<13>C-IAAを用いた。その結果、予想に反し、養水分を過給した植物の重量あたりのオーキシン量はコントロールのおよそ30〜70%と少なく、生長過程を通じてこの傾向は変化しないことがわかった。このことから、少なくともこの生長促進効果がオーキシンの増加によるものではないと考えられる。ただし、時間の制約から本年度は1回のみの実験となってしまったため、今後これらの追実験による再現性の確認、および過給圧力パラメータの影響などを調べる必要がある。
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Research Products
(2 results)