2000 Fiscal Year Annual Research Report
HLA-A2とA24テトラマーを用いたC型肝炎ウィルス特異的CTL活性の測定
Project/Area Number |
12877084
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 光樹 東北大学, 医療技術短期大学部, 教授 (30250781)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝沢 壽男 大塚製薬, 徳島第三研究所, 主任研究員
真野 浩 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (50302120)
|
Keywords | C型肝炎ウィルス / テトラマー / HLA-A2 / インターフェロン治療 / フローサイトメトリー / 細胞障害性T細胞 |
Research Abstract |
C型慢性肝炎においては、C型肝炎ウィルス(HCV)増殖の制御やウィルス排除における細胞障害性T細胞(CTL)の役割が注目されている。そこで、我々はイン・ビトロでの刺激無しに特異的CTLプレカーサー頻度を推定できるテトラマー測定に着目し検討を進めている。HLA-A2はほぼ1/3に見られる頻度の高いHLAタイプであり、A2拘束性CTLの報告が多数あり、その結合モチーフについても明らかにされている。C型肝炎においてもA2拘束性CTLの抗原エピトープが9-mer既報で知られている。方法:今回HLA-A2拘束性CTLのテトラマー測定に関して、この既報のHCVエピトープ(コア領域a.a.132-140:DLMGYIPLV:HCV-1)を使用し、Davisらの報告に従って、HLA-A0201とペプチドを使用しテトラマーを作製した。テトラマー化の後、三次元構造(フォールディング)を確認し、末梢血単核球での染色とフローサイトメトリー(FACS)での陽性細胞検出を行った。インターフェロン治療後のC型慢性肝炎6例(HLA-A2陽性3例、陰性3例)と健常者3例(全例HLA-A2陽性)。今回の検討では、末梢血より単核球を分離後、上記9-merおよびcontrol peptide:CYSIEPLDL(NS5領域a.a.2871-2879:HCV-1)を添加して7日間培養した後、FACS解析した。結果:CD8陽性細胞中のテトラマー検出率はHLA-A2陽性C型慢性肝炎で0.25±0.08(平均±標準誤差)%、HLA-A2陰性C型慢性肝炎で0.11±0.01%(p=0.15)、健常者(HLA-A2陽性)では0.13±0.01%であった。結語:HLA-A2拘束性CTLの頻度はインターフェロン治療後のC型慢性肝炎症例で末梢CD8陽性細胞中2.5/10000の頻度であると推定された。今後、細胞障害活性との比較、インターフェロン治療による頻度の変動を調査する予定である。
|