2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12F02003
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
塩谷 茂樹 大阪大学, 言語文化研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YAMAAKHUU Badamkhand 大阪大学, 言語文化研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | モンゴル語 / 形状語 / 形状動詞 / 形状名詞 / 家族形状語 / 独立形状語 |
Research Abstract |
平成24年度(2012.4.1~2013.3.31)の当初の研究実施計画は、以下の通りであった。 1研究段階1:全総数の残り3分の2の形状語の分析 博士論文『モンゴル語の形状語に関する研究』(2010)で取り扱った形状語は、全形状語総数(およそ500語)のほぼ3分の1に相当する160語であり、残り3分の2に相当するおよそ340語余りの形状語を抽出し、その形態及び意味分析を行う。 2研究段階2:モンゴル文学作品より形状語の使用例の抽出 上述した残り3分の2の形状語の形態及び意味分析を終えた後、それに相当する形状語の使用例を、現代モンゴル文学作品より抽出し、実際の場面に即した実例でもって、その意味の裏付けを行う。 この一年間、「モンゴル語の形状語の構造的研究」という研究課題の下、研究を実施した結果は、以下の通りである。 1.研究段階1に対して:全形状語の抽出完了 研究当初、モンゴル語の全形状語総数は、およそ500語余りと予想していたが、研究を進め、最新の辞書やモンゴル文学作品等の広範囲な資料より再度調査した結果、予想よりも大幅に上回り、800語余りであることが明らかとなった。これは、想定外であったが、この一年間の研究の大きな成果であると考えている。いずれにせよ、モンゴル語の全形状語の抽出を無事完了し、モンゴル語で意味分析を行うとともに、使用頻度に応じて分類をし終えた。その際、モンゴル語の形状語に関する、意味論的観点からの新たな研究視点、すなわち1.形状語の多義性、2.形状語の転義性という2点に着目し、研究を進めている。 2.研究段階2に対して:形状語の使用例の抽出を8割完了 研究段階1を行う過程で、同時に現代モンゴル文学作品より、形状語の使用例を抽出する作業を行い、その8割を完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モンゴル語の辞書類やモンゴル文学作品等の広範囲な資料より、モンゴル語の全形状語を抽出完了し、モンゴル語で意味分析を行うとともに、使用頻度に応じて、分類し終えた。また、同時にモンゴル文学作品より、形状語の使用例を抽出する作業を行い、その8割を完了した。以上の2点の理由から、本研究は、おおむね順調に進展しているものと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度平成25年に、早急に進めるべきことは、昨年度行なったモンゴル語の形状語の意味分析、及び文学作品より抽出したその使用例を、日本語で正しく翻訳し、説明することである。その後、研究段階3として、形状語のイメージ図を作成し、さらに研究段階4として、モンゴル謡の形状語に対応する日本語の類義のオノマトペの選出を行い、最終的には、研究段階5として、「モンゴル語形状語小辞典」の完成を目指すものである。
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