2012 Fiscal Year Annual Research Report
ガス吸着圧による多孔性金属錯体のプロトン伝導度制御
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12F02036
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北川 宏 京都大学, 理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DASMADHAB Chandra 京都大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 多孔性 / 金属錯体 / プロトン伝導 |
Research Abstract |
イオン伝導体は電解質やガスセンサーなどの電子デバイスとしての応用が期待されると同時に、そのダイナミクスにも興味が持たれることから、盛んに研究されている分野である。配位高分子は、構造の設計性と多様性を持ち多様な物性の発現が可能であることから、近年大きな研究領域を形成している。本研究では金属イオンと有機配位子によって構築される配位高分子に着目し、配位高分子の高い設計性を利用したプロトン伝導体の開発を行っている。特に酸性基を有する分子や高沸点分子などを細孔内に導入した新規配位高分子を作製し、ゲスト分子によって誘起される高プロトン伝導体の開発とその伝導メカニズムの解明に取り組んでいる。本年度では目的のゲスト分子を選定し、種々の配位高分子との複合化を行った。溶媒、濃度、温度など様々なパラメータを検討することで、ゲスト分子が配位高分子に導入された複合物質を数種合成することに成功した。一方で、これまで報告されている多くの固体プロトン伝導体では、水分子がプロトンの伝導媒体になっている。二酸化炭素やアンモニアを媒体としたプロトン伝導体は、これまでほとんど報告されておらず、水分子とは異なったプロトン伝導システムを構築することができるため、材料科学のみならず基礎科学の面においても非常に重要である。本研究では規則的なナノ細孔を有する配位高分子を用い、二酸化炭素やアンモニアの取り込みによる新しいプロトン伝導システムの構築を目指している。本年度では二酸化炭素やアンモニアを安定に細孔内へ取り込むことが可能な配位高分子の探索を行い、候補と成り得る配位高分子を数種見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲスト分子が配位高分子に導入された複合物質を数種合成することに成功した。また、二酸化炭素やアンモニアを安定に細孔内へ取り込むことが可能な配位高分子の探索を行い、候補と成り得る配位高分子を数種見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
見出した配位高分子のプロトン伝導特性について評価を行い、新規高プロトン伝導体の創製を行う。
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Research Products
(4 results)