2012 Fiscal Year Annual Research Report
移動点検車両の振動を用いる橋梁ヘルスモニタリング手法の開発
Project/Area Number |
12F02369
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金 哲佑 京都大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHANG Kai-Chun 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 移動点検車両 / 非定常振動 / 間接診断 / 橋梁ヘルスモニタリング / 振動 / 信号処理 / 信号分解 / 路面凹凸 |
Research Abstract |
「橋梁へのセンサ設置コストやセンサ設置に伴う交通遮断」のような今までの橋梁ヘルスモニタリングにおける問題点を改良すべく,橋梁上を走行する車両の振動には橋梁の振動成分が潜んでいることに着目した「移動点検車両の振動を用いる橋梁ヘルスモニタリング手法の実現」が本研究の目的である. 研究目的を達成するため,今までの理論的検討から明らかになった,実用化において解決すべき二つの課題である「振動数は損傷に敏感ではない点」と「橋梁上の路面凹凸の影響を除去できないと実用性まで結び付けるのは容易ではない点」の解決に挑む.解決策として「橋梁振動特性が抽出しやすい最適車両パラメータ同定と最適車両による橋梁ヘルスモニタリング」と「信号分解(Signal Decomposition)と推定理論の組合せによる路面凹凸の影響の除去」を取上げている. 6ヵ月半の初年度の研究は,平成25年以降の実験による妥当性検討における車両パラメータ設定に利用するための事前検討に重点を置いている.すなわち,移動点検車両の振動データに橋梁の振動が混入しやすい,最適車両パラメータや走行条件の理論式と路面凹凸の影響低減のための信号処理手法の検討を行っている-その結果,橋梁上を走行する車両振動をHilbert-Huang Transformにより信号分解すると,路面凹凸の影響はあるものの損傷による橋梁の振動特性の変化が車両の振動データだけで抽出できることを確認している. 特に,信号分解における係数およびそのパターン変化に着目すると,異常検知の感度を上げる可能性があるとの結果に至っており,次年度に詳細な検討を行う予定である,
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
6ヶ月程度の短い研究期間の中,計画とおり車両振動の信号分解による橋梁の異常検知の可能性の検討を行い,その可能性をシミュレーションデータを用いて確認している.このような事前検討の成功により,次年度以降の実験による研究について,計画とおりの実行が期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
移動点検車両の振動データによる橋梁ヘルスモニタリング手法の妥当性検討のために,模型橋梁車両走行実験装置による実験的検討を主に行う計画である.また,模型点検車両による橋梁のシステムパラメータを同定するため,申請者が開発している疑似非定常不規則システム同定手法を整備する. 特に,最適車両条件を用いた,模型桁上走行車両の振動から橋梁の固有振動数および減衰定数の推定可能性の検討および計測信号に潜んでいる路面凹凸の影響の除去可能性について検討をさらに進めていく計画である.
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Research Products
(1 results)