2013 Fiscal Year Annual Research Report
移動点検車両の振動を用いる橋梁ヘルスモニタリング手法の開発
Project/Area Number |
12F02369
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金 哲佑 京都大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHANG Kai-chun 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 移動点検車両 / 非定常振動 / 橋梁ヘルスモニタリング / 交通振動 / 信号処理 / 模型桁走行車両実験 / トレーラー振動 / 多次元統計分析 |
Research Abstract |
「橋梁へのセンサ設置コストやセンサ設置に伴う交通遮断」のような今までの橋梁ヘルスモニタリングにおける問題点を改良すべく, 橋梁上を走行する車両の振動には橋梁の振動成分が潜んでいることに着目した「移動点検車両の振動を用いる橋梁ヘルスモニタリング手法の実現」が本研究め目的である. 平成24年度の事前検討により, 損傷による橋梁の振動特性の変化が車両振動から抽出できる可能性を見出した. 平成25年度は, その妥当性を検討するために, 模型桁車両実験および統計的パターン分析を導入した異常検知の検討を行った. 具体的な成果を以下の示す. 1)模攣橋梁走行実験による提案手法の妥当性検証 : シミュレーションにより, 振動特性の調整が容易な・トレーラーを用いれば, 橋梁振動数の同定精度が向上するとの結論に至った. その妥当性を検証するため, 模型トレーラーを制作し室内実験を行った, 模型桁上走行車両に牽引されるトレーラーの振動. から橋梁の固有振動数の推定は可能であるものの, 損傷による振動数の変化までの検知には至っていない. 2)多次元統計分析による損傷検知 : 非定常不規則振動である橋梁の交通振動から振動特性を同定し, 損傷による振動特性の変化を強調させるためにMTS (Mahalanobis-Taguchi System)による統計的パターン分析を試みた. 実トラス橋梁を対象に損傷実験および車両走行実験を行い, 実橋梁での損傷検知の可能性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画とおり車両振動の信号分解による橋梁の異常検知の可能性について, トレーラーを制作し, 模型桁走行実験を行い確認している. 一方, 損傷による振動数の変化までの検知には至っていない. わずかな変化を同定するために, トレーラーの振動特性などを調整し, 損傷検知の検討を行う必要がある. 多次元統計分析により, 実橋梁の非定常振動を用いた損傷同定は成功しており, 実務への適用のために妥当性の検討を続けている。
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Strategy for Future Research Activity |
橋梁損傷によるトレーラー振動に含んでいるわずかな変化を強調し, 同定し易くするために, トレーラーの振動特性を調整し, 損傷検知の可能性が高い条件について検討する予定である. 多次元統計分析により, 実橋梁の非定常振動を用いた損傷同定は成功しているものの, 実務への適用のためには, 損傷検知に関する信頼性を高める必要がある. 実務への適用のためには, 他の実験データなどを用いた妥当性の検討を続けていく予定である。
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Research Products
(8 results)