2012 Fiscal Year Annual Research Report
認知機能におけるエピジェネティクスの役割とその臨床応用性
Project/Area Number |
12F02422
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
戸田 達史 神戸大学, 大学院・医学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHA PeiChieng 神戸大学, 大学院・医学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 行動解析 / 一般認知機能g / 遺伝子発現解析 / 定量RT-PCR / 遺伝子ネットワーク / エピジェネティック |
Research Abstract |
本研究は、一般認知機能gを制御する遺伝子と遺伝子ネットワークのエピジェネティックなメカニズムを解明することを目的に行っている。これまでに、41匹の近交系マウスの行動解析を行い、海馬からRNAを抽出して、マイクロアレイを用いた網羅的な遺伝子発現解析を行った。また、行動解析のパラメーターに基づいてマウスを認知機能の高い群と低い群に分類し、それらのマウス群間で大きな発現差を示す遺伝子を同定、さらに網羅的なネットワーク解析により、一般認知機能gを制御すると考えられる遺伝子ネットワークを同定した。 本年度は、遺伝子発現解析より同定した遺伝子の発現差を再確認するために、当該遺伝子の発現量について定量RT-PCRを行った。遺伝子発現解析および定量RT-PCRの結果はほぼ一致していることが判明し、一般認知機能gを制御する遺伝子である可能性を支持した。 一方、今後の詳細な解析を行うために、同定した遺伝子ネットワークにある複数の遺伝子それぞれの機能や性質を、文献や遺伝子情報データベースを基に調査し、一般認知機能gの制御に関わると考えられる個々の遺伝子を選び出した。また、同定した遺伝子ネットワークが、疾患や薬剤投与などで発現変化が同定されているものかどうかをデータベースで調べ、疾患や薬剤との関連を検討した。 さらに、DNAメチル化との関連を調べるために、マウスの海馬からDNAを抽出することを試みた。解析に必要なDNA量が回収できないことが判明したため、脳全体からのDNAで解析できるかどうかを検討することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当研究の目的である一般認知機能gを制御する遺伝子と遺伝子ネットワークのエピジェネティックなメカニズムの解明に向け、前述概要のとおりおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
一般認知機能gを制御する遺伝子と遺伝子ネットワークのエピジェネティックな発現メカニズムの解明を目的とし、DNAメチル化の検討のためのマウスの海馬のDNAを抽出を試みたが、回収量が充分でなかったため、これからマウスの脳全体のDNAを用いて研究を進めて行く。一方で、miRNAやピストン修飾など、一般知能因子gを制御するエピジェネティックなメカニズムを解明する。マウスの数を増やし、再検証する。
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Research Products
(6 results)