2012 Fiscal Year Annual Research Report
Hダイバリオンとハイペロンスペクトロメーターの研究
Project/Area Number |
12F02502
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
今井 憲一 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, グループリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HWANG Sanghoon 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | ダイバリオン / ストレンジネス / TPC |
Research Abstract |
J-PARCのK中間子ビームを用いたH-dibaryon探索の実験計画を完成させ、そのために必要なハイペロン測定用のTPC(Time Projection Chamber:3次元飛跡検出器)を使ったスペクトロメーターを設計・製作することが、外国人特別研究員と共同して行う研究の主要なテーマである。H-dibaryonはssuuddの6quark stateとして束縛する可能性があるとされてきたエキゾチックハドロンである。大強度のK中間子ビームが特徴であるJ-PARCでの実験で是非Hダイバリオンの存否に決着をつけたいと考えている。そのためのGEM-TPCを使ったハイペロンスペクトロメータの開発研究を行ってきた。バックグラウンドとなる反応を含めたsimulationやGEM-TPCの検出器のレスポンスの精度のよいより現実的なsimulationのプログラムを作り、スペクトロメーターの設計パラメーターの最適化を行った。それらの計算に基づいて、フルサイズのプロトタイプGEMTPCを設計した。さらにレーザーを用いて磁場中でのTPCの性能試験をおこないGEMTPCの設計パラメーターを確認した。読み出し回路についてもこれまでに開発研究が行われてきたGETという回路を基盤とする新しいシステムの開発をスタートした。 トリガーに用いるホドスコープをsimulationを行って設計した。 さらにこのスペクトロメーターを用いる核子共鳴の実験(E45)についてもsimulation計算を行い、実験提案がPACで採択されるのに大きく貢献した。 またJ-PARCでの実験経験を得るために、J-PARCで行われた中性子過剰ハイパー核探索実験(E10)に参加しデータ取得に貢献した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ハイペロンスペクトロメーターの開発については予定していた研究内容をすべてこなして、フルサイズのTPCの設計を終えて、製作をスタートすることができた。これに加えて新しい実験計画にも深く関与してこの実験提案がJ-PARC課題審査委員会で採択されることに大きく貢献した。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度は、フルサイズのTPCを完成させて、宇宙線やビームを使ったテストをはじめられるようにすることを目指す。さらに読み出し回路やデータ取得システムの開発を行う。これらは当初の研究計画に沿ったものである。また26年度に行う予定のダブルハイパー核探索実験(EO7)の準備研究も並行して行っていく。
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Research Products
(3 results)