2012 Fiscal Year Annual Research Report
マメ科植物における水およびリン利用効率の遺伝的改良
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12F02510
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
TRAN Lam-Son・P 独立行政法人理化学研究所, 発現調節研究ユニット, ユニットリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SULIEMAN SaadAbdelRahman 独立行政法人理化学研究所, 発現調節研究ユニット, 外国人特別研究員
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Keywords | Efficiency / Medicago sativa / Medicago truncatula / nodule / N_2 fixation / Phosphorus / symbiosis |
Research Abstract |
スリマンモハメドサアド博士は、平成24年11月に理化学研究所植物科学研究センター発現調節研究ユニットでの研究を開始しました。彼が従事している研究課題はMedicago truncatula(タルウマゴヤシ)およびGlycine max(ダイズ)においてリン欠乏が生長および根粒形成にもたらす影響です。窒素固定を効率的に行うマメの品種を開発することを最終的な研究目標としています。 彼は前職での研究成果に加え、本研究ユニットにおいて新たな発見をしています。マメ科植物の生長を制限する主な環境ストレスは土壌中のリン(P)の欠乏です。博士の現在の研究目的は、リンが制限された土壌で育てられたMedicago truncatulaおよびMedicago sativa(ムラサキウマゴヤシ)の窒素固定の共生効率を比較し特徴づけることです。リン欠乏条件の下で、Medicago truncatulaは著しく高い窒素固定率を示しました。根粒での窒素固定は、Medicago sativaと比較しMedicago truncatulaにおいてはるかに高いことを発見しました。またMedicago sativaに比べ、Medicago truncatulaは根粒中のリンゴ酸塩量が増加していたことから、共生システムとリン欠乏条件下でのリンゴ酸塩増加能力の関連性が博士の研究から示唆されています。 これらの研究結果は、雑誌International Journal of Molecular Sciencesにて"Comparative Analysis of the Symbiotic Efficiency of Medicago truncatula and Medicago sativa Under Phosphorus Deficiency"という題名での発表が決定しています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は事前に計画された通り温室で2品種を使った実験を開始しました。現在までの結果は論文での発表が決定しています。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策リン欠乏条件下で育成したダイズの生理学的測定を行います。その後、マイクロアレイ分析を用いて網羅的遺伝子発現解析を行います。本研究成果は、水およびリンの利用効率上昇を可能にするための、重要な候補遺伝子(エリート遺伝子)同定に役立つと考えています。
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Research Products
(1 results)