2012 Fiscal Year Annual Research Report
電解採取法及び電解還元法によるチタン新製造法の開発研究
Project/Area Number |
12F02742
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
不破 章雄 早稲田大学, 理工学術院, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GRANATA Giuseppe 早稲田大学, 理工学術院, 外国人特別研究員
|
Keywords | 混合溶融塩 / チタン電解 / 2塩化チタン |
Research Abstract |
還元反応の実験装置の作成、ならびにTiCl_2-KCl-NaCl混合溶融塩の生成を行った。 1.実験装置作成: 実験装置は、電気加熱炉、溶融塩容器、電解電源、TiCl_4(g)の定量供給、廃ガス吸収、電気化学的測定、化学分析等の装置、機器から構成されるが、種々の既製機器を用いて、反応装置、電解装置の作成を行った。装置の完成後、溶融塩に溶解している水分を直流電源(既存装置)を用いて、電解脱水法による除去実験を行った。水の電解分圧以上の電圧を印加し、発生気体である塩化水素ガス、酸素をアスピレータ-で吸引した。その際、電気化学測定器(関数発生器・ポテンショスタット・電流ブースタ)を用い、電解反応の電気化学的な特性評価も併せて行い、溶融塩の脱水が完了したことを確認した。 2.混合溶融塩生成実験: 700℃に保持したKC--NaCl溶融塩中にTi(s)金属板を設置し、TiCl_4(g)気体をステンレス供給管を用い気泡バブリングにより供給した。Tiと接触反応させ生成したTiCl_2とTiCl_3は溶融塩中に溶解させた。この実験では、供給口の面積(気泡の大きさ)、TiCl_4濃度を変数とし、供給する間に4回溶融塩をサンプリングした。サンプルの総Ti濃度をICP-AESを用いて定量し、Ti(2価)濃度をTiCl_2分析にて分析し、Ti(3価)濃度は、総チタン濃度からTi(2価)濃度から引いて求めた。結果から、供給が進むにつれてTiイオン濃度が増えていることが確認できた。また、TiCl_4供給濃度が低い方がTiCl_2、Ticl_3,生成量が多いことが分かった。Ticl_2生成量は変数に関わらず、Ticl_3生成量より多いことが分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度、還元反応の実験装置作成ならびにTiCl_2-KCl-NaCl混合溶融塩生成が目的であり、それらは概ね順調に進展していると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成24年度に得られた結果を基にして、混合溶融塩の電解・Ti電析実験を主体的に行う。 すなわち、電気化学測定器(関数発生器・ポテンショスタット・電流ブースタ)を用い、TiCl_2-KCl-NaCl混合溶融塩の電解を行い、混合溶融塩中のTi2+イオンの還元によるTi金属の電析、Cl-イオンの酸化によるCl2の生成反応実験を行う。電解実験は、混合溶融塩生成反応と同期的なTi電析を試みる。後者の電析実験は、TiCl2-KCl-NaCl混合溶融塩の生成とTi電析が直列であることを利用する画期的なものであり、TiCl2の生成・溶解反応速度とTi電析速度が相応に一致する条件を見出すことに他ならない。
|