2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12F02750
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 茂貴 九州大学, 大学院薬学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BARTA Jan 九州大学, 大学院薬学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 機能性人工ヌクレオシド / RNA化学修飾 / 官能基転移反応 / クリック反応 |
Research Abstract |
DNAに保存されている遺伝情報はRNAに転写され、タンパク質に翻訳されて機能が発現する。近年タンパク質の鋳型とならない非コードRNAの重要な役割が見いだされ活発に研究されている。さらにRNAに対する化学修飾によってRNAの様々な機能分化が起こることが分かってきた。そこで本研究では、人工的にRNAに特異的化学修飾する人工核酸の開発を目的に、様々な官能基を導入できる手法を検討した。これまで、官能基転移反応を活用し、転移基にアセチレン基を導入し、アジド基をもつ蛍光物質などとのクリック反応によってさまざま化学修飾を実現することができた。一方、この反応には銅触媒を使用する必要があり、将来生体内で活用するには制限があった。そこで、平成25年度はアジド基を有する転移基を合成し転移反応とその後の銅触媒を用いないクリック反応を検討した。その結果、標的RNAに高収率で官能基を転移させ、その後FAM蛍光基をクリック反応で導入することに成功した。この成果は第40回国際核酸化学シンポジウム(2013年横浜)でポスター発表した。 官能基転移反応の目的の一つはRNAの鋳型効果を変化させることである。本研究では直接的にシトシンアミノ基の加水分解を促進する手法の検討を始めた。まず理論的に可能な反応を計算化学を用いて検索し、アミノ基のリン酸化反応を設計した。リン酸基のエステル構造を種々検討し、電気陰性度の異なる置換基を検討することとした。RNAを用いた検討を行う前に、リボヌクレオシドを用いてモデル反応を開始し、アミノ基のアシル体およびリン酸アミド体の合成に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的の一つであった、転移反応とその後のクリック反応を銅触媒を用いない転移基を用いて行うことができた。さらにもう一つの目的であるシトシン脱アミノ化反応の検討を開始することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
シトシン脱アミノ化反応を緩和な条件で行うための脱離基を詳細に検討する。高温など過酷な条件が必要になった場合、RNAを基質に実現することが困難になるため、反応加速効果のある金属触媒を検索する。また、脱アミノ化に相応しい脱離基を新たに分子設計、合成を検討する。
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Research Products
(1 results)