2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12F02751
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Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
ミラー ジョナサン 沖縄科学技術大学院大学, 物理生物学ユニット, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LAJBNER Zdenek 沖縄科学技術大学院大学, 物理生物学ユニット, 外国人特別研究員
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Keywords | mtDNA / Drosophila melanogaster / thermal selection |
Research Abstract |
本研究の目的は、1.ミトコンドリアにおける温度選択の特性の解明及び2.人工進化実験から得られるデータに基づく進化仮説の検証である。当該研究課題を実施している外国人特別研究員は、実験体のショウジョウバエと、野生の異なる熱条件に起源する個体とを区別するミトコンドリアゲノム上のいくつかの多型部位を同定した。これらの多型部位は、ミトコンドリアDNA(mtDNA)における熱に敏感な領域を示している可能性がある。 外国人特別研究員は、オーストラリアで収集・確立したハイブリット集団のisofemaleショウジョウバエ系統を使用しグロースチャンバー内で制御された実験を行っている。実験体の対立遺伝子についても大きな違いがあるのか、また熱条件によっての差異がみられるか等を検証するため、遺伝子型解析を行っている。同時進行で、オーストラリアの研究協力者が、ショウジョウバエのミトコンドリアゲノムのスクリーニングを実施しており、本研究データと研究協力者のデータセットを組み合わせることにより、熱環境が野生のショウジョウバエ集団におけるミトコンドリアゲノムの進化を形作るかの検証や、ミトコンドリアDNAの温度感度の程度を明らかにすることができると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始直後は、何度かオーストラリアからのショウジョウバエの輸送が上手くいかなかったことや、24年度に計画していたフィールドトリップが決行できなくなる等の理由により計画より多少遅れたものの、実験は計画通りに進んでいる。ショウジョウバエ集団からミトコンドリアDNAを取り出し、解析することができ、現在は集団レベルでのゲノム解析を行っている。この解析結果によって、25年度にフィールドトリップを行うか、又はサンプルを入手するかを決定する。今年度の計画に変更はあったものの、研究は順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
25年6月頃までには、大量解析の結果を得られる予定である。このデータセットを拡大し、論文の執筆に取り掛かる。その後は24年度に同定した多型部位について、分子機構に焦点を当てる予定である。
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