2013 Fiscal Year Annual Research Report
メタルフリーPECVD成長ナノ結晶グラフェン薄膜の詳細解析とデバイス応用
Project/Area Number |
12F02791
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
水田 博 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SCHMIDT Marek 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ナノ材料 / マイクロ・ナノデバイス / 先端機能デバイス / 電子デバイス・機器 |
Research Abstract |
英国サザンプトン大で作製したナノ結晶グラフェン(NCG)薄膜上に、電子線リソグラフィ技術とドライエッチングを用いて、チャネル長・幅が50~10nmの超微細ポイントコンタクトをチャネルとする2端子デバイス、および2つのサイドゲートを備えたポイントコンタクトトランジスタ(PC-Tr)を作製するプロセスを開発した。作製した2端子デバイスの電気特性の温度依存性を200℃~-194℃の範囲で測定した結果、チャネル抵抗が-50℃付近で極大値を示すことがわかった。この振る舞いは20個以上の作製デバイス全てに共通して観測されることから、NCG薄膜特有のキャリア散乱機構に起因するものと考えられる。3端子型PC-Trにおいては、2つのサイドゲートに電圧を印加することにより、ポイントコンタクトチャネルを流れる電流が変調されることを確認した。 また、H25年度に導入した電界電離ガスイオン源(GFIS)システムを用いて、ヘリウムイオンビームミリングによる超微細・高精度グラフェンナノリポン加工技術の立ち上げを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新材料NCG薄膜を用いたポイントコンタクトトランジスタ(PC-Tr)作製プロセスの立ち上げ過程において、当初予想していなかったプロセス上の問題がいくつか生じたが、研究室の学生・スタッフとの連携によってそれらを克服し、PC-Trの3端子動作を確認するまでに至った。また、これと並行して、新技術である電界電離ガスイオン源(GFIS)システムを用いたヘリウムイオンミリング技術を採用することで、高精度の極微細グラフェン加工が可能となった。これは当初の計画を越える進展である。
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度に立ち上げた電子線リソグラフィ/ヘリウムイオンビームミリング・ハイブリッド超微細加工技術を駆使して、チャネル長・幅~10nmの極微細PC-TrをNCG薄膜上に作製し、2つのサイドゲートに印加する電圧を独立にスイープするスペクトロスコピー手法により、超微細PC-Trのチャネル内に存在する1個~数個のNCGグレインとグレイン境界(GB)を介したキャリア輸送の微視的パスを制御し、PC-Trのコンダクタンスと物理的キャリアパスの相関を解明する。また、原子解像度TEM/STEMによるNCGグレイン&GBの直接観察を組み合わせることにより、NCG薄膜の微視的構造とキャリア輸送特性間の相関関係を総合的に解明する。
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Research Products
(3 results)