2012 Fiscal Year Annual Research Report
コーチングに基づく機械系の行動学習支援および個人適応制御
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12J02539
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
廣川 暢一 筑波大学, システム情報工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ロボット / 機械学習 / コーチング / 運転支援 / 療育支援 |
Research Abstract |
本年度の研究実績として,まず駐車運転技量育成のための運転支援システムについて,被験者実験で取得したデータの解析を行い提案手法による運転技量への影響を定量的に評価を行った.その結果,提案手法による運転支援を行った被験者群の駐車成績が,支援を行わなかった被験者群に比べて統計的に有意に向上したことから,提案手法による人の運転技量育成の意義とその可能性を示すことが出来た,また,2012年5月に米国で開催されたIEEE Interanational Conference on Robotics and Automationsや9月に札幌で行われた日本ロボット学会学術講演会において研究成果を発表し,自動車技術会学術研究講演会ではベストペーパー賞を獲得した.さらに,本プロジェクトの全体を通して得られた知見を論文としてまとめたものを計測自動制御学会論文誌へ投稿し採録が決定している他,IEEE Transactions on Hapticsへの投稿の準備も進めている. また,生体信号を用いたロボットの行動学習に関して,米国カリフォルニア州にあるNASAジェット推進研究所への短期インターンシップを行い,生体信号を用いたロボットの遠隔操作に関する小規模なプロジェクトを遂行し,重要な知見と経験を得た. 発達障がい児のための療育支援ロボットプロジェクトに関しては,愛知県コロニー発達障害研究所の研究者とともに自閉症児を対象としたロボット介在活動を予備実験として複数回に渡って継続的に実施し,今後の研究方針についての考察を深めるとともに,実験を通して得られたロボット介在活動中の発達障がい児の社会的行動に関する知見等を,東京で行われた国際会議Human Robot Interaction 2013において発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず,対外発表に関しては当初予定していた学会及び学術論文誌による発表を行い,ベストペーパー賞を受賞する等一定の評価を得ることが出来た.また,ジェット推進研究所へのインターンシップにも予定通り参加し,現地の研究者との議論や小規模なプロジェクトを通して目的を達成出来たと考える.また,療育支援ロボットについても発達障がい児を対象としたロボット介在活動を複数回継続的に実施し,その計測データをまとめた内容を国際会議等で発表するなど,おおむね当初計画した通りに進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策として,まず療育支援ロボットに関して新たに養護学校に協力を要請し,提案手法の有効性を検証する為の総括的な実験を実施する環境を整える予定である.その際,生体電位信号に基づく表情計測や社会的インタラクションの定量的計測によって,情動や社会的交流に基づくロボットのコーチング技術に関する研究を行っていく予定である.その後,実験の成果について対外的に発表を行うことと並行して学位論文の執筆作業を行うとともに,特別研究員としての研究活動に関する最終的な報告を行うつもりである.
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Research Products
(3 results)