2012 Fiscal Year Annual Research Report
M細胞特異的遺伝子の探索とそれに基づく遺伝子改変マウスの作成及び機能解析
Project/Area Number |
12J02947
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金戸 聡 東京大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | M cell / MLP / SpiB / Umod |
Research Abstract |
まず,定量的RT-PCR法を用いて同定したM細胞特異的遺伝子のうち,Umod, Calcb, Dscaml1, Serpina1b, Spi-BについてM細胞を含んだバイエル板組織切片における発現確認をin situ hybridization法により行った.これら5遺伝子のうち,UmodとSpi-Bは,古典的M細胞マーカーであるUEA-1と発現が共局在していることが明らかとなった. また,先行研究にてM細胞特異的遺伝子として同定された,Marcks-likeprotein(MLP)のCre発現組織依存的コンディショナルノックアウトマウスの作製を行った.MLPの第2エクソンの両端にloxP配列を挿入したベクターを作製し,マウスES細胞にエレクトロポレーション法により遺伝子導入後,組み替えの起こった変異型遺伝子座(floxed-allele)を持つES細胞を選定し,受精卵にマイクロインジェクションした.生まれてきたキメラマウスとC57BL/6Jマウスとを交配し,生まれてきたfloxedマウスと,M細胞を含む小腸上皮細胞に特異的に発現するvillin1のプロモーターにCreリコンビナーゼ遺伝子を挿入したトランスジェニックマウス(Villin1-Creマウス)を交配することで目的とするM細胞特異的遺伝子欠損マウスを作製した. また,MLPの機能について,in vitroでの評価を行うため,M細胞の代替として,マウス小腸上皮細胞株であるMODE-K細胞株にMLPを遺伝子導入するためのレトロウイルスベクターを作製した.さらに,このレトロウイルスベクターを感染させ,MLPを過剰発現したMODE-K細胞株を作製した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の実験計画に基づき,M細胞特異的遺伝子の組織切片における発現確認,MLPの遺伝子改変マウスの作製,レトロウイルスを用いたMODE-K細胞へのMLPの遺伝子導入,と3項目についてそれぞれ研究を予定通りに進めることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
作製した遺伝子改変マウスを用いて,電子顕微鏡も含めた組織学的手法によるM細胞の形体観察,及び,M細胞を介して特異的に感染することが知られているSalmonella sp.やYersinia sp.を用いた感染実験を行う.また,作製した過剰発現株を用いて,形態観察や微小粒子の取り込み実験を行い,上皮細胞でのM細胞特異的遺伝子の機能について調べる.
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Research Products
(2 results)