2013 Fiscal Year Annual Research Report
A・N・ホワイトヘッドにおける「出来事」研究:自然哲学とその展開
Project/Area Number |
12J03561
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
森 元斎 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 特別研究員(PD)
|
Keywords | A・N・ホワイトヘッド / 出来事 / 抱握 / 自然哲学 / 場 / 主体性 / 場所作り / 自然との共生 |
Research Abstract |
本研究は、A・N・ホワイトヘッドにおける「出来事」概念を中心に精査・精読することで、その哲学の純理論的な研究を前進させて行くと共に、実践的な領域において哲学を応用して行くことにあった。「出来事」概念の精査を行う上で、それに付随する「抱握」や「主体性」、そして「場」といった概念とのかかわりをホワイトヘッドの文献から析出して厳密に検討する一方で、そうした諸概念を応用した文化的な側面や自然との共生といった極めて現代的な側面とのかかわりを検討してきた。理論的な水準では、出来事が自律的に主体性を有し、その主体性が抱握という仕方で実現する、といった観点を明らかにしてきた。またそうした出来事は場(所)において生起することも明らかになった。こうした理論的な検討を踏まえた上で、実践的な水準において、実際に場所作りを自律的に行っている事例を検討することで、ホワイトヘッド哲学の応用可能性をみてきた。 また昨年に、引き続きドゥルーズ哲学やベルクソン哲学と、ホワイトヘッド哲学とのかかわりを精査することで、「抱握」概念の意味の異同が明らかになりつつある。この成果を来年度に発表する予定である。 こうしたなか、今年度は、とりわけ文化的な側面や自然との共生という側面でとりわけ成果を発表してきた。水俣や福島だけでなく、海外の諸々の場所作りの実践例を踏まえて上で、そこにホワイトヘッド哲学の応用可能性や哲学からの基礎付けを行った。今後もこうした実践やホワイトヘッド哲学の展開例をみていくとともに、より純理論的な水準での検討を行っていきたいと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ホワイトヘッド哲学の難解さの故に、純理論的な研究への進捗や研究発表が遅れている。また博士論文の執筆状況も遅れている。来年度に期待したい。
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、理論的・実践的研究を進めると共に、博士論文の執筆・完成を目指し、書籍の刊行を行う予定である。
|
Research Products
(3 results)