2012 Fiscal Year Annual Research Report
イネの生育量とコメの品質を推定するためのリモートセンシング技術の開発
Project/Area Number |
12J03716
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小野山 博之 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | リモートセンシング / イネ / 生育量 / 食味 / 現場推定 / プラットフォーム開発 / 無人ヘリ / 精密農業 |
Research Abstract |
本研究では,イネの生育量及びコメの品質をリモートセンシングを用いて推定する技術の確立とその現場検証を目的としており、本技術実現のため,平成24年度から平成25年度の2年間の研究により、次の3課題の達成を計画した。 「(1)生育環境を考慮したモデルの作成」 「(2)自動で画像・データ処理を行うソフトウェアの開発」 「(3)広域へのリモートセンシング技術の適用」 平成24年度は(1)、(2)の2課題の達成を目標にし、研究を行った。 〈(1)生育環境を考慮したモデルの作成〉 年度ごとに生育環境は変化するが、その影響を受けずに対象とするイネの状態(生育量・タンパク質含有率)を正確に推定できるモデルを作成する必要がある。ハイパースペクトルイメージングにより作成した推定モデルと、生育環境として気温データを組み合わせることで、出穂期のイネの窒素保有量の推定誤差を減少させることができた。この結果をまとめ、Precision Agriculture誌に投稿、査読中である。また、同様の手法が幼穂分化期にも適用できることを確認し、国際学会にて発表する。 〈(2)自動で画像・データ処理を行うソフトウェアの開発〉 画像処理は専用の画像処理ソフトを用いて1枚当たり10分程をかけ、1枚1枚処理している。圃場全体を地上部ハイパースペクトルカメラによるリモートセンシンングを行った場合、かなりの労力と時間が必要となる。これは実用上、大きな課題である。そこでハイパースペクトルデータを読み込み、Band演算による疑似画像(NDVIなど)を作成し、その中でイネだけが選択されるような閾値の決定を行い、対象物部分のスペクトルデータを取得できるようなソフトウェアをJavaにより作成した。このソフトウェアを用いて収穫期のイネをイネ全体、葉・茎そして穂に分け、各スペクトルを取得することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した通り、平成24年度は「(1)生育環境を考慮したモデルの作成」および「(2)自動で画像・データ処理を行うソフトウェアの開発」の達成を目標とした。ハイパースペクトルイメージングにより取得したスペクトルデータと、生育環境として気温データを組み合わせて生育量推定モデルを作成することで、(1)を達成することができた。また、(2)に関しては、ハイパースペクトルデータを読み込み、イネのスペクトルデータを取得できるようなソフトウェアをJavaにより作成することができ、画像処理の効率化を図ることができた。達成度は計画を上回っていないが、当初の計画通りであったため、「当初の計画以上に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度からは達成すべき3課題の3番目、「(3)広域へのリモートセンシング技術の適用」に取り組む。すなわち、無人ヘリにマルチスペクトルカメラを搭載し、低高度でのリモートセンシングにより、広域におけるイネの生育量とコメの食味の推定を行う。その際(1)、(2)で行った推定モデルの作成手法やソフトウェアを利用し、結果をまとめ、その有効性を検討する。
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Research Products
(1 results)